これからの2 型糖尿病治療薬:GLP-1/GIP 受容体作動薬
2021.03.15
連載:FORUM 薬剤 ■DRUG 第2回
これからの2 型糖尿病治療薬:GLP-1/GIP 受容体作動薬
Vol.38 No.2(2021年3・4月号)pp.211-213
これからの2 型糖尿病治療薬:GLP-1/GIP 受容体作動薬
Vol.38 No.2(2021年3・4月号)pp.211-213
中村 昭伸 Nakamura, Akinobu
北海道大学大学院医学研究院 免疫・代謝内科学教室
はじめに
2 型糖尿病治療薬のひとつであるGLP-1 受容体作動薬は,2010 年に日本でも処方可能となり,血糖依存的なインスリン分泌促進作用,グルカゴン分泌抑制作用,さらには胃内容物排出抑制作用により高血糖を改善させる1).これらの作用は同じインクレチン関連薬であるDPP-4 阻害薬より強く,血糖低下効果もDPP-4 阻害薬に比べて大きい.また,食欲抑制作用も有しているため,体重減少効果も期待できる.私見としてのこの薬剤の短所はこれまで注射薬のみであったという点である.経口薬に比べ治療を受ける側(患者),提供する側(医療スタッフ)とも特に開始にあたりハードルが高い面もあったが,週1 回の注射製剤および経口薬が処方可能になって以来,これらの短所も薄らいできている印象がある.さらには,一部のGLP-1 受容体作動薬は,心血管疾患リスクの高い2型糖尿病患者において心血管疾患発症や腎機能悪化を抑制させるということが大規模臨床試験で示され2〜5),いままで以上に2 型糖尿病治療薬におけるGLP-1 受容体作動薬の位置づけが明らかになりつつある.その一方で,さらなる血糖改善効果や体重減少効果を有する薬剤の開発も望まれる.糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル
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