経口GLP-1受容体作動薬

2021.07.15
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連載:FORUM 薬剤 ■DRUG 第1回
経口GLP-1受容体作動薬
Vol.38 No.4(2021年7・8月号)pp.456-459

2021年7・8月号 目次

塩見 めぐみ Shiomi, Megumi
北里大学薬学部
北里大学メディカルセンター薬剤部

はじめに

 glucagon-like peptide-1(GLP-1)受容体作動薬は,グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進し,グルカゴン分泌を抑制して血糖値を低下させる糖尿病治療薬であり,胃内容排出遅延,心血管イベント予防,非アルコール性脂肪肝炎改善などの多面的作用1, 2)を有することも知られている.欧米の薬剤選択アルゴリズムでは,第一選択薬であるメトホルミンで効果不十分な場合の選択肢のひとつとして,GLP-1 受容体作動薬が推奨されている3, 4).さらに米国糖尿病学会診療ガイドラインでは,心血管疾患・慢性腎臓病・心不全の合併または高リスクの場合,メトホルミン使用とは無関係に考慮される薬剤のひとつとされており4),GLP-1 受容体作動薬は糖尿病薬物療法において重要な位置づけとなってきている.わが国では,2020 年までに5 成分6 製剤が処方可能となっているが,これらはすべて注射製剤であるため,患者にとっては日常生活の制限やQOL 低下などの負担感があり,アドヒアランスの障壁となる可能性がある.そのなかで2021 年2 月に世界初の経口投与可能なGLP-1 受容体作動薬である経口セマグルチドが発売された.

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