糖尿病足潰瘍・壊疽における外用薬療法

2020.07.15
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連載:FROUM 薬剤 ■DRUG 第1回
糖尿病足潰瘍・壊疽における外用薬療法
Vol.37 No.4(2020年7・8月号)pp.462-464

西村 博之 Nishimura, Hiroyuki
吉田 陽 Yoshida, Akira
医療法人社団陣内会 陣内病院 薬剤部

はじめに

 糖尿病(性)足病変は,「神経障害や末梢動脈疾患と関連して糖尿病患者の下肢に生じる感染,潰瘍,足組織の破壊性病変」1)と定義される.先進国の糖尿病患者の足潰瘍の発生率は2%,約1%が下肢切断に至るが,発展途上国においては足潰瘍有病率が11%に上るという報告がある2).一方,日本での糖尿病患者における足病変の発生率は年間約0.3%,下肢切断率は約0.05%と,わが国での足病変の発生率は世界に比べて明らかに低いことがわかっている3).しかし,糖尿病患者の創傷は健常人と比べて治癒までに長期間を要し,さらに感染が起こると急速に増悪し下肢切断や死に至る危険性が高くなる3).そのため,糖尿病患者ではフットケアによる足病変の早期発見・早期治療が重要である.また足病変の治療では,全身状態の管理(血糖・栄養状態・末梢循環の改善),創傷の保護(免荷),感染の管理など,病変部位だけではなく総合的な管理が必要である.本稿では,糖尿病(性)足病変の概要と薬剤師の視点での外用薬療法について述べる.

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