糖尿病網膜症と黄斑浮腫の発症進展予防―生活習慣の是正,検診,内科との連携―
2022.05.15
連載:FORUM 合併症Ⅰ ■ COMPLICATIONⅠ―網膜症― 第3回
糖尿病網膜症と黄斑浮腫の発症進展予防―生活習慣の是正,検診,内科との連携―
Vol.39 No.3(2022年5・6月号)pp.307-310
糖尿病網膜症と黄斑浮腫の発症進展予防―生活習慣の是正,検診,内科との連携―
Vol.39 No.3(2022年5・6月号)pp.307-310

佐々木真理子* 1〜3 Sasaki, Mariko
* 1 国家公務員共済組合連合会 立川病院 眼科
* 2 慶應義塾大学医学部 眼科学教室
* 3 国立病院機構東京医療センター 眼科
はじめに
本連載ではこれまで,①糖尿病網膜症と黄斑浮腫の動向および全身的な発症・増悪因子,②糖尿病網膜症と黄斑浮腫の眼科検査と治療の進歩について述べた.前号までに示したように,糖尿病患者の爆発的な増加に伴い,糖尿病網膜症と黄斑浮腫による視覚障害を抑止することは,世界的な課題となっている.しかし,糖尿病網膜症と黄斑浮腫の病態理解や治療技術は進歩したが,依然として重症化すれば視機能を回復することは難しく,“網膜症を発症・進展させない”予防医療の重要性は増している.今回は,糖尿病網膜症と黄斑浮腫の予防に焦点を当て,あらためて内科治療や生活習慣の改善,眼科検診を含む眼科-内科の連携の重要性について概説する.