Vol.15 水虫・靴擦れ・たこ 患者の「足」を診たことがありますか?

2023.11.15
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糖尿病では、神経障害や末梢動脈疾患を背景に糖尿病足病変が起こりやすくなります。
下肢切断を防ぐ「予防的フットケア」が求められます。

関東労災病院 糖尿病・内分泌内科 前部長
浜野 久美子 先生

なぜ「足」が大切か?

 糖尿病を“足を切断する病気”と恐れる患者は多いですが、この下肢切断という悲惨な事態が、実はちょっとした足のトラブルをきっかけに起こるということを理解している患者は少ないのではないでしょうか。
 糖尿病をもった患者では、血液障害で足の血流が滞りやすいため皮膚の乾燥や肥厚を起こしやすく、また、真菌などによる感染症も増えます。特にたこ(胼胝)やうおのめ(鶏眼)、足や爪の水虫(白癬)、角質肥厚といった病変は糖尿病がなくてもよく見かけますが、糖尿病がある場合には、治りにくかったり、神経障害があって痛みを感じにくく悪化させたりすることが多く、観察と適切なケアが欠かせません。足白癬の患者数は日本で2千5百万人(有病率21.6% )といわれ、多くの糖尿病患者も水虫に悩んでいると推測されます。

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