ステロイド糖尿病

  • 後藤 由夫 (東北大学名誉教授、東北厚生年金病院名誉院長)
2015.09.11
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1. 奇跡のホルモン剤の発見

 第二次大戦中は海外の文献は入ってこない状態が続いた。終戦後は少しずつ入って来たが、大都市にはアメリカ文化センターができその図書館で医学雑誌も読めた(No.4参照)。さてもっとも劇的だったのは副腎皮質ホルモンの効果であった。昨日まで歩けなかったリウマチの患者がコーチゾン服用で痛みがなくなり歩けるようになったなどのニュースが伝わってきた。その発見にかかわったアメリカのKendallとHenchそしてスイスのReichsteinは1950年度ノーベル賞を受賞した。50年代になるとそれらのステロイドホルモン剤が輸入されて日本でも使用できるようになった。リウマチ以外にも白血病、再生不良性貧血、腎疾患など多くの内科疾患に用いられ著効を奏した。ペニシリンとともに奇跡的な薬であった。それまで使用されていた薬は効用のはっきりしたものはなく気休め薬のようなものであった。しかし繁用されるとともに副作用もまた多く報告された。その1つがステロイド糖尿病であった。米国ではLukens教授のネコのステロイド糖尿病の研究を手伝ったのでステロイド糖尿病は興味を惹くテーマであった(No.13参照)。東北大学第三内科でも血液疾患などでステロイドを使い、糖尿病になったから治療してくれという症例が多くなった。


2. ステロイド糖尿病の調査

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