網膜脂血症
2015.09.12
1. 糖尿病外来に眼科医も加わる
糖尿病外来をはじめてから多くの患者が大学に訪れるようになった。毎週1日を糖尿病外来の日とし数名のスタッフで診療していた。隣の県からも、また朝3時に起きて来るという人達もあって、我々もそれにこたえて朝早く外来を開いて耳朶から採血して血糖を測りその結果を報せて療養法を指導した。テス・テープは市販されていたので尿糖のチェックは誰にもできたが、血糖の簡易測定器はまだなかった頃のことである。割烹旅館の60歳の女将さんが長年の糖尿病で視力障害も起こったので眼科の桐沢長徳教授に往診をお願いした。教授と高久功講師(後に長崎大教授)は糖尿病の眼病変の重要性を認識され、糖尿病外来日に眼科医を派遣して下さり、眼底をチェックしていただくことになった。理想的な体制となったわけである。そうしているところにつぎのような病例が紹介されてきた。