日本糖尿病学会が「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」を発表 日本人の糖尿病病態に応じた治療薬選択を重要視

2022.09.07
 日本糖尿病学会は9月5日、「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」を公表した。

2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム

安全な血糖管理達成のための糖尿病治療薬の血糖降下作用・低血糖リスク・禁忌・服薬継続率・コスト

 日本糖尿病学会では、「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」作成のコンセプトとして、日本人の糖尿病の病態に応じて治療薬を選択することを最重要視し、エビデンスと日本での処方実態を勘案している。

 具体的には、「Step 1」として病態(非肥満と肥満)に応じた薬剤選択、「Step 2」として安全性への配慮(とくに禁忌)、「Step 3」としてAdditional benefitsを考慮するべき併存疾患(慢性腎臓病、心不全、心血管疾患)をあげ、「Step 4」として考慮すべき患者背景(服薬継続率、コスト)をあげて、薬剤を選択するアルゴリズムになっている。

 「代謝異常の程度のみならず、年齢や肥満の程度、慢性合併症の程度、肝・腎機能、ならびにインスリン分泌能やインスリン抵抗性の程度を評価し、その病態を考慮して」糖尿病治療薬を選択することを提唱している。

 同学会は、アルゴリズム作成の背景として、次の3つのことをあげている。

  1. 欧米では肥満に起因するインスリン抵抗性主体の糖尿病が多くを占めるが、それとは異なり、日本人2型糖尿病は肥満と非肥満が半々で、インスリン分泌低下と抵抗性の程度が個人ごとに異なっている。
  2. 欧米と日本の2型糖尿病の治療戦略の違いを考慮。欧米では2021年度版まで、初回処方薬としてビグアナイド薬が推奨されてきた。また、併存症、とくに動脈硬化性心血管疾患、腎機能障害、心不全に対して有効性を示す薬剤の推奨を優先してきている。一方、日本では、熊本スタディやJ-DOIT3などの結果もふまえて、合併症を抑制するために、血糖マネジメントおよび血糖をはじめとする多因子介入が重要で、これらをふまえ個人毎の病態を考慮して、どのクラスの糖尿病治療薬を使用するかを決定することが推奨されてきた。
  3. National Database(NDB)の解析により、日本の2型糖尿病の初回処方の実態が、実際に欧米とは大きく異なることが明らかになった。

 同学会では「本アルゴリズムが、我が国での糖尿病診療の向上に貢献することを期待するとともに、新しいエビデンスを加えながら、より良いものに進化し続けていくことを願っています」と述べている。

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