「オゼンピック」が心血管系リスク低下を適応として米国で承認 経口セマグルチドの「Rybelsus」の心血管系への安全性も確認

2020.01.31
 ノボ ノルディスクは、FDA(米国食品医薬局)が、「オゼンピック」(週1回投与セマグルチド)の心血管系疾患の既往を有する2型糖尿病患者における心血管死、非致死性心筋梗塞または非致死性脳卒中からなる主要な心血管イベント(MACE)のリスク低下を適応とする医薬品承認事項変更申請(sNDA)にもとづいた適応拡大を承認したと発表した。

Rybelsusの添付文書にPIONEER 6心血管アウトカム試験の新たな情報を追加

 この承認は心血管アウトカム試験(CVOT)である「SUSTAIN 6」にもとづいている。同試験では、心血管系リスクが高い2型糖尿病患者において標準治療にオゼンピックを追加投与したときにプラセボと比較して、心血管死、非致死性心筋梗塞または非致死性脳卒中からなる主要な心血管イベント(MACE)の発症リスクについて、統計的に有意に26%の低減が認められたことが確認された。

 FDAはまた、「Rybelsus」(1日1回経口投与セマグルチド)の添付文書を更新し、心血管系に対する安全性を示したCVOTである「PIONEER 6」試験で得られた情報を追加した。同試験ではプライマリーエンドポイントであるMACEに関する複合エンドポイントについて非劣性が検証され、Rybelsusの心血管系への安全性が確認された。少なくとも1件のMACEを発現した被験者の割合は「Rybelsus」群で3.8%、プラセボ群で4.8%だった。

 「Rybelsus」(経口セマグルチド)は、世界初で唯一の経口のGLP-1受容体作動薬。1日1回投与の錠剤であり、米国では、治療量として7mgと14mgの2用量が承認されている。成人2型糖尿病患者の血糖コントロールを改善する、食事および運動療法の補助を適応としている(日本での効能または効果は承認審査中)。

 「PIONEER 6」試験は、「Rybelsus」のevent-driven、承認申請前に実施する心血管アウトカム試験(CVOT)。心血管系疾患の既往を有するまたは心血管イベントリスクの高い、成人2型糖尿病患者3,183名を対象に、「Rybelsus」またはプラセボを標準治療に追加投与し、心血管系に対する安全性を評価する、無作為割り付け、二重盲検、プラセボ対照比較試験。

関連情報

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

尿病関連腎臓病の概念と定義 病態多様性 低栄養とその対策
小児・思春期1型糖尿病 成人期を見据えた診療 看護師からの指導・支援 小児がんサバイバーの内分泌診療 女性の更年期障害とホルモン補充療法 男性更年期障害(LOH症候群)
神経障害 糖尿病性腎症 服薬指導-短時間で患者の心を掴みリスク回避 多職種連携による肥満治療 妊娠糖尿病 運動療法 進化する1型糖尿病診療 糖尿病スティグマとアドボカシー活動 糖尿病患者の足をチーム医療で守る 外国人糖尿病患者診療
インクレチン(GLP-1・GIP/GLP-1)受容体作動薬 SGLT2阻害薬 NAFLD/NASH 糖尿病と歯周病 肥満の外科治療 骨粗鬆症 脂質異常症 がんと糖尿病 クッシング症候群 甲状腺結節 原発性アルドステロン症
エネルギー設定の仕方 3大栄養素の量と質 高齢者の食事療法 食欲に対するアプローチ 糖尿病性腎症の食事療法
糖尿病薬を処方する時に最低限注意するポイント(経口薬) GLP-1受容体作動薬 インスリン 糖尿病関連デジタルデバイス 骨粗鬆症治療薬 二次性高血圧 1型糖尿病のインスリンポンプとCGM

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新ニュース記事

よく読まれている記事

関連情報・資料