「トルリシティ」と「マンジャロ」が限定出荷 GLP-1受容体作動薬の供給量がひっ迫 2型糖尿病の既存患者への供給を優先

2023.08.16
 日本イーライリリーは、GLP-1受容体作動薬「トルリシティ皮下注0.75mgアテオス」について、また日本イーライリリーと田辺三菱製薬は、GIP/GLP-1受容体作動薬「マンジャロ皮下注 2.5mg/5mg アテオス」について、それぞれ限定出荷を行うと公表した。国内外で供給を上回る需要が増加し、急激な需要増加が予測されるとしている。

GLP-1受容体作動薬「トルリシティ」が限定出荷

 日本イーライリリーは2023年8月、GLP-1受容体作動薬「トルリシティ皮下注0.75mgアテオス」の供給について、国内外で供給を上回る需要が増加し続けているため、「国内の需要を満たす供給量を確保するにはまだしばらく時間を要する見通し」として、「今後も限定出荷を継続させていただきます」と公表した。

 GLP-1受容体作動薬の国内外の需要が増加しており、同社はトルリシティについて、3月より限定出荷を実施している。

 同社は、代替薬の流通状況を鑑み、トルリシティの代替薬についても公表している。「代替薬投与にあたっては、血糖自己測定または血液検査等で適宜血糖値をモニターし、急激な血糖状況の悪化にはご注意いただくようお願い申し上げます」としている。

 なお今回の対応は、製造における不具合発生によるものではない。トルリシティの効能又は効果は「2型糖尿病」であり、適応外で使用された場合には、「本来の効果が見込めないだけでなく思わぬ健康被害が発現する可能性も想定される」として、「真に必要な患者様へ少しでも多く供給できますよう、適応外使用(美容・痩身・ダイエットなど)は厳にお控えくださいますよう宜しくお願い申し上げます」と述べている。

トルリシティ皮下注0.75mgアテオス出荷および対応状況 (2023年8月時点)

【代替品】GLP-1受容体作動薬

GIP/GLP-1受容体作動薬「マンジャロ」が限定出荷

 日本イーライリリーと田辺三菱製薬は2023年8月、GIP/GLP-1受容体作動薬「マンジャロ皮下注 2.5mg/5mg アテオス」の供給について、「今以上の急激な需要増加が予測される」として、「8月7日より限定出荷を実施することといたしました。大変恐れ入りますが、新規処方を控えていただきますようお願い申し上げます」と公表した。

 各医療機関に、「マンジャロ皮下注アテオスで治療継続中の患者様分のみをご購入いただきますようお願い申し上げます」と呼びかけている。

 現在、マンジャロ皮下注アテオスの出荷および対応状況は下表のとおり。「引き続き、7.5mg以上の製剤への新たな増量を控えていただきたく、重ねてお願い申し上げます」としている。

 なお、今回の対応は製造における不具合発生によるものではない。マンジャロ皮下注アテオスの効能又は効果は「2型糖尿病」であり、「適応外で使用された場合には、本来の効果が見込めないだけでなく思わぬ健康被害が発現する可能性も想定されます。真に必要な患者様へ少しでも多く供給できますよう、適応外使用(美容・痩身・ダイエット等)は厳にお控えくださいますようお願い申し上げます」としている。

マンジャロ皮下注アテオス出荷および対応状況 (2023年8月時点)

Lilly Answers リリーアンサーズ
日イーライリリー 医薬情報問い合わせ口 (医関係者向け)
0120-360-605
受付時間:月~金曜日 8:45~17:30

関連情報

[ TERAHATA / 日本医療・健康情報研究所 ]

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

スポーツとメンタルヘルス関連ホルモン 骨格筋ホルモンの代謝への影響・関連
糖尿病合併高血圧のマネージメント CKD合併高血圧のマネージメント(生活習慣修正・降圧薬治療) 本態性高血圧と血管調節異常、神経調節異常、ナトリウム調節異常 内分泌性二次性高血圧アップデート
肥満の外科治療-減量・代謝改善手術の最新エビデンス- 甲状腺結節の診断・経過観察の最新エビデンス 原発性アルドステロン症治療の最新エビデンス
糖尿病の各薬剤を処方する時に最低限注意するポイント(経口薬) 糖尿病関連デジタルデバイスのエビデンスと使い方 血糖推移をみる際のポイント!~薬剤選択にどう生かすか~ 1型糖尿病の治療選択肢(インスリンポンプや持続血糖測定器など)
タンパク質とアミノ酸の代謝 脂質の代謝 糖代謝の調節機構

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新ニュース記事

よく読まれている記事

関連情報・資料