チルゼパチドの日本人リアルワールドデータ 2型糖尿病患者でHbA1cの有意な改善 亀田総合病院

2026.03.03
日本人2型糖尿病患者におけるチルゼパチドのリアルワールドデータがこのたび報告された。亀田総合病院により実施された多施設後ろ向き研究で、チルゼパチド投与によりHbA1cの有意な改善が認められ、日本人患者においても国際臨床試験の結果と一貫した有効性が確認された。安全性に関しても、治療中断率は低く、良好な忍容性が示された。

 チルゼパチドはGIP/GLP-1受容体作動薬として開発された新規治療薬であり、血糖コントロールおよび体重管理の両面から注目されている。国際的な臨床試験(SURPASS試験シリーズ)では優れた有効性が示されているものの、日本人2型糖尿病患者における実臨床下でのリアルワールドデータは限られていた。

 本研究は、2023年7月から2024年8月までに亀田総合病院ネットワーク内の3施設(亀田総合病院、亀田京橋クリニック、亀田総合病院附属幕張クリニック)においてチルゼパチド治療を受けた日本人2型糖尿病患者203名を対象とし、最長52週間にわたる有効性および安全性を体系的に評価することを目的として実施された。

 ベースラインの平均HbA1cは7.7%、平均BMIは29.1kg/m2であった。82.3%が既存の糖尿病治療薬による治療歴を有し、そのうち30.0%がインスリン治療を受けていた。52週時点におけるHbA1cの平均低下量は-0.91%(95%CI −1.08~−0.74、p  < 0.001)であり、61.2%がHbA1c 7.0%未満を達成した。またインクレチン関連薬未使用の患者では、GLP-1受容体作動薬からの切り替え患者と比較してHbA1c低下量が有意に大きかった(−1.19% vs. −0.65%、p=0.005)。平均体重減少は−3.4kgであった。治療継続率は92.6%と高値を示した。有害事象は消化器症状が6.4%に認められたが、低血糖は報告されなかった。

 本研究では、チルゼパチド投与によりHbA1cの有意な改善が認められ、日本人患者においても国際臨床試験の結果と一貫した有効性が示された。安全性に関しても、治療中断率は低く、日本人患者における良好な忍容性が示された。

 本研究は、亀田総合病院 糖尿病内分泌内科部長 三浦正樹氏らの研究グループにより実施されたもので、研究成果が2026年2月12日付で「Diabetes, Obesity and Metabolism」に掲載された。

[ 糖尿病リソースガイド編集部 / 日本医療・健康情報研究所 ]

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