1日約8,500歩の維持が長期的な減量維持と関連

肥満は世界的に増加が続いており、生活習慣改善プログラムは治療の基本とされている。一方、減量中や体重維持期に「どの程度歩くこと」が有効なのかについては十分なエビデンスがなかった。そこで著者らは、肥満または過体重の成人を対象に生活習慣改善介入を行ったランダム化比較試験を対象として、システマティックレビューとメタ解析を実施。減量期および体重維持期における歩数変化と体重減少率との関連を検討した。
著者らは、PRISMAガイドラインに準拠してPubMed/MedlineおよびScopusを検索し、過体重または肥満成人を対象に生活習慣改善介入を行った18件のランダム化比較試験(RCT)をシステマティックレビューに組み入れた。このうち14件、計3,758人(平均年齢52.7歳)をメタ解析の対象とし、減量期および体重維持期における歩数(活動量計などで客観的評価)と体重減少率との関連を検討した。さらにメタ回帰解析により、各時点の歩数と長期的な体重減少維持との関連も評価した。
解析の結果、ベースライン時点(Time 0)の平均歩数は、生活習慣改善プログラム群(LSM群)と対照群で有意差を認めなかった(7,253歩 vs. 7,130歩、P=0.336)。一方、減量期終了時(Time 1、平均7.88カ月)には、LSM群の平均歩数は対照群より有意に多く(8,454歩 vs. 7,486歩、P=0.017)、4.39%の有意な体重減少を認めた(P<0.001)。対照群の体重減少率は1.25%で、有意な減少は認められなかった。
さらに、体重維持期終了時(Time 2、平均10.27カ月)においても、LSM群では減量期終了時と同程度の歩数が維持されており(8,241歩 vs. 6,757歩、P=0.011)、体重減少率も3.28%と有意な減量維持を示した(P=0.001)。LSM群の体重減少率は対照群(0.99%)を2%超上回っていた(P=0.044)。一方、対照群では、いずれの時点でも歩数および体重に有意な変化は認められなかった。感度分析でも、歩数増加が介入群に有利に働く傾向は一貫していた。
また、メタ回帰解析では、減量期終了時(Time 1)に1日1,000歩多く歩くごとに約1.34%の体重減少(P=0.033)、体重維持期終了時(Time 2)では約1.10%の体重減少維持(P=0.017)と関連することが示された。
共著者で同大学のMarwan El Ghoch氏は、「減量プログラムの参加者には、目標の達成とリバウンドを防ぐことを目的として、減量期間中に1日の歩数を約8,500歩まで増やし、維持期に入ってもそのレベルの運動量を維持するように推奨すべきだ。この方法は、リバウンド防止のためのシンプルかつ低コストな方法である」と述べている。
[HealthDay News 2026年5月12日]
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