日本人2型糖尿病ではサルコペニア肥満の有病率が高い 身体的QOL低下や転倒リスク増加と関連

2026.07.24
日本人2型糖尿病患者では、サルコペニア肥満の有病率が非糖尿病者と比較して有意に高く、身体的QOLや歩行能力の低下、転倒リスクの増加と関連するとの研究結果がこのたび報告された。多施設共同研究(iDIAMOND研究)のデータを用いた横断的事後解析の結果であり、2026年7月6日付けで「Journal of Diabetes Investigation」オンライン版に掲載された。

 サルコペニア肥満とは、筋肉量および筋力の低下(サルコペニア)と、過剰な体脂肪の蓄積(肥満)が合併した病態であるが、日本人2型糖尿病患者における臨床的特徴はこれまで十分に解明されていない。そこで研究グループは、2型糖尿病患者におけるサルコペニア肥満の有病率、ならびに身体的QOL、歩行能力、転倒との関連を評価することを目的として本解析を実施した。

 本研究は、国内7施設で実施された多施設共同研究「iDIAMOND(Impact of Diabetes Mellitus on Dynapenia)研究」のサブコホートデータを用いた横断的事後解析。対象者は40~75歳の930名であり、その内訳は2型糖尿病群が527名、非糖尿病群が403名であった。

 サルコペニアの診断には「Asian Working Group for Sarcopenia(AWGS)」の基準を用い、骨格筋量指数の低下に加えて、握力の低下または歩行速度の低下を満たす場合と定義した。一方、サルコペニア肥満の診断には「Japanese Working Group on Sarcopenic Obesity」の基準を適用し、高BMIまたは高腹囲に加え、握力の低下、BMIに対する相対的な骨格筋量の低下、高体脂肪率を併せ持つ状態と定義した。いずれの基準にも該当しない対象者は「Robust(健常)」に分類された。 

 解析の結果、40~75歳の対象者におけるサルコペニア肥満の有病率は、非糖尿病群の0.5%に対して2型糖尿病群では4.9%であり、2型糖尿病群において有意に高いことが示された(P<0.001)。

 さらに、2型糖尿病患者群を対象とした詳細な解析において、サルコペニア肥満を有する群は、Robust群と比較して身体的QOLが低く、日常的な身体活動量が低下していることが示された。加えて、サルコペニア肥満群では歩行速度が有意に遅く、転倒の発生率が高いことも確認された。

 また、2型糖尿病患者においてサルコペニア肥満に寄与する独立した関連因子を特定するため、多変量ロジスティック回帰分析を実施した。その結果、「高齢」「高BMI」「身体活動量の低下」の3項目が、サルコペニア肥満と有意に関連する独立因子であることが示された。 

 本研究結果より、日本人2型糖尿病患者においては、非糖尿病者と比較してサルコペニア肥満の有病率が明らかに高く、それが身体的QOLや歩行能力の低下、転倒リスクの増加といった機能的障害と関連していることが示された。

[ 糖尿病リソースガイド編集部 / 日本医療・健康情報研究所 ]

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