GCT陽性でも妊娠糖尿病でない妊婦、出産アウトカム悪化と関連

2026.06.09
妊娠中のグルコースチャレンジテスト(GCT)で陽性と判定されたものの、妊娠糖尿病(GDM)の診断には至らなかった妊婦でも、早産や在胎不当過大(LGA)児などのリスクが高い可能性が示された。米ペンシルベニア州立大学ユニバーシティパーク校のAmrita Arcot氏らの研究によるもので、詳細は「The American Journal of Clinical Nutrition」5月号に掲載された。

 GDMは、妊娠中に初めて認められる高血糖または耐糖能異常であり、流産や早産、LGAのリスクが高いことが知られている。このため妊婦に対して、まずGCTを行い、その結果が陽性の場合には改めて糖負荷試験(GTT)を実施し、GDMと診断した場合には積極的な血糖管理が行われる。しかし、GCTが陽性であっても、GTTでGDMと診断されなかった妊婦の妊娠転帰については、これまで十分に検討されていない。

 Arcot氏らは、米ノースウェスタン記念病院のデータを用いた後ろ向きコホート研究を実施し、このようなGCT陽性・非GDM例の妊娠転帰を検討した。同院は分娩件数が年間約1万件の三次医療機関で、出産後に胎盤の約20%が病理検査に送られている。本研究では、胎盤の病理検査が行われた1万899件の妊娠に関する医療記録が用いられた。主要評価項目は、出生体重zスコア、在胎週数、LGA児、早産などだった。なお、解析対象胎盤のうち5%はGDMと診断された妊婦のものであった。解析に際しては、母体年齢、人種、出産回数、在胎週数、児の性別を共変量として調整した。

 解析の結果、出生体重のzスコアはGCT陰性・非GDM群(対照群)と比較して、GCT陽性・非GDM群(調整平均差0.14〔95%信頼区間0.09~0.19〕)、およびGDM群(同0.19〔0.11~0.29〕)は、いずれもわずかに高かった。また、GCT陽性・非GDM群では、LGAリスクが対照群より41%(22~63%)高く、早産リスクも27%(12~44%)高かった。一方、GDM群はLGAリスクについては71%(34~216%)高かったが、早産リスクは対照群と有意差がなかった。在胎週数に関しては、GDM群で約3日短かった(-2.88〔-4.00~-1.77〕)。

 論文の共著者である同大学のKelly Gallagher氏は、「妊娠中の高血糖を判断する現行のカットオフ値は妊娠糖尿病の診断には有用だが、血糖値は連続的なものである。そして、われわれの研究結果に基づけば、妊娠転帰も連続的に変化している可能性があると考えられる」と述べている。

[HealthDay News 2026年5月22日]

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