日本糖尿病学会が「FreeStyleリブレに関する見解」第4版を公表 血糖値への食事・運動・薬物の影響がリアルタイムに分かる

2022.04.13
 日本糖尿病学会は、「間歇スキャン式持続血糖測定器(isCGM):FreeStyleリブレに関する見解」(改訂第4版)を公開した。

 「皮下間質液中のグルコース濃度を1分毎に測定し記録するセンサー」「持続グルコース測定(CGM)使用時に必要なSMBGによる較正を必要としない簡便さを特徴とする」「インスリン注射を行っているすべての患者に拡大されたことにより、治療の適性化が期待される」などと表記している。

保険対象が「インスリン注射を1日に1回以上行っている患者」に拡大

FreeStyleリブレ

 日本糖尿病学会は4月1日付けで、「間歇スキャン式持続血糖測定器(isCGM):FreeStyleリブレに関する見解」(改訂第4版)を公開した。2022年度診療報酬改定により、持続グルコース測定器「FreeStyleリブレ」の保険適用区分「C150-7」の対象が拡大されたのを受けたもの。

 「FreeStyleリブレ」は、「C150-7 間歇スキャン式持続血糖測定器によるもの」の枠組みの中で運用できるようになり、対象者は「インスリン製剤の自己注射を1日に1回以上行っている入院中の患者以外の患者」に拡大された。

 日本糖尿病学会の「見解」では、「FreeStyleリブレ」について下記のように述べられている。

(1)皮下間質液中のグルコース濃度を1分毎に測定し記録するセンサー、(2)そのデータをフェリカ機能で当てた時に読み取って、その時のグルコース値、過去8時間のトレンド、及びトレンド矢印を表示し、15分毎の代表値を14日間にわたって記録するリーダー、の2つのパーツからなるシステムである。患者はリーダーをセンサーにかざした時に自身のグルコース値とトレンドから、食事や運動あるいは薬物による血糖値への影響をリアルタイムに推測することができる機器である。リーダーを使わなくても、対応するスマート機器では、アプリをインストールすれば、上記の(2)を見ることが可能となり、スキャンしたデータは、すべてクラウド上に保存される。しかしながら、SMBGを行う際にはリーダーが必要である事に留意すべきである。
(中略)
2022年4月より、「C150-7」の対象者が「入院中の患者以外の患者であって、インスリン製剤の自己注射を1日に1回以上行っているもの」に拡大された。「1.本品を使用 することが考慮される患者像」に記した患者において、本カテゴリーの適応が、インスリン注射を行っているすべての患者に拡大されたことにより、治療の適性化が期待される。

 一方、「持続グルコース測定(CGM)使用時に必要なSMBGによる較正を必要としない簡便さを特徴とするが、場合によっては計測したグルコース値と血糖値との乖離の可能性が存在することに留意すべきである。したがって、本品は糖尿病の日常の自己管理に有用であるが、必要時にはSMBGを行って血糖値を確認する必要がある」としている。

 使用目的は、以前は「血糖自己測定(SMBG)を補助する医療機器」といった記述があったが、2019年の改訂により「必要に応じてSMBGを併用しながら、糖尿病の日常の自己管理に用いる医療機器」へと変更されている。

 日本糖尿病学会の「見解」では、「FreeStyleリブレ」が有効かつ安全に用いられるよう、適正な使用方法について解説されている。

一般社団法人 日本糖尿病学会
  間歇スキャン式持続血糖測定器(isCGM):FreeStyleリブレに関する見解

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[ TERAHATA / 日本医療・健康情報研究所 ]

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