1.インスリン療法の歴史─これまでの進展を振り返る

2021.05.15
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特集■インスリン:新たな百年紀へ─最近の製剤の進歩を含めて─
1.インスリン療法の歴史─これまでの進展を振り返る
Vol.38 No.3(2021年5・6月号)pp.285-291

2021年5・6月号 目次

葛谷 健 Kuzuya, Takeshi
自治医科大学 名誉教授

はじめに

 インスリンの発見から今年で100 年になる.BantingとBest が,膵臓の抽出物の注射で膵摘糖尿病イヌの病態を改善できることを見出したのは,1921 年の夏であった.Banting は,トロント大学生理学教授Mcleod の許可を得て夏休みの期間中,医学生Bestとともに実験を行った.彼らはイヌの膵管結紮で萎縮させた膵臓から,糖尿病イヌの血糖を低下させる物質を抽出することに成功した.その後,生化学者Collipが研究チームに加わった.翌1922 年1 月には膵抽出物を糖尿病患者に注射する初の臨床試験が行われた.トロント総合病院で膵抽出物が投与されたのは14 歳のThompson 少年だった.このときBanting がつくった抽出物はあまりはっきりした効果がなかったが,Collip がつくった抽出物は血糖の低下,ケトーシスの消失など,顕著な効果が認められた.

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