2.イメグリミンの臨床試験

2022.05.15
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糖尿病とミトコンドリア
─両者の多様な関係性と創薬の視点─
2.イメグリミンの臨床試験
Vol.39 No.3(2022年5・6月号)pp.264-269

2022年5・6月号 目次

粟澤元晴* 1, 2 Awazawa, Motoharu
植木浩二郎* 1 Ueki, Kohjiro
* 1 国立国際医療研究センター研究所 糖尿病研究センター,* 2 分子糖尿病医学研究部 統合生理学研究室

はじめに

 イメグリミンはメトホルミンとよく似た構造をもつが,その構造の違いからテトラヒドロトリアジン(グリミン)系という新規カテゴリーに区分される新たな糖尿病治療薬である(図1).イメグリミンはモデルマウスに投与すると強い血糖降下を示し,その糖代謝心的な役割を果たしているという知見が蓄積されつつある.一方,イメグリミンのインスリン感受性への作用については確定的ではないものの,少なくとも高脂肪・高ショ糖食負荷肥満モデルマウスへのイメグリミン投与が,骨格筋および肝臓のインスリン感受性を有意に改善したことが報告されており,糖尿病の病態に関わる複数の病態・臓器を同時にターゲットにし得る薬剤であると期待される.こうしたインスリン分泌促進作用およびインスリン感受性亢進作用の共通分子メカニズムはいまだ部分的にしか解明されていないが,実験レベルではイメグリミンがミトコンドリアに対して保護的にはたらくことが示唆されており,そのユニークな性質が実際にヒトにおいてどのような意義をもつか大いに注目される.

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