糖尿病診断の歴史と検査

2022.01.15
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連載:FORUM 検査 ■LABRATORY MEDICINE 第1回
糖尿病診断の歴史と検査
Vol.39 No.1(2022年1・2月号)pp.077-079

2022年1・2月号 目次

佐藤麻子 Sato, Asako
東京女子医科大学 臨床検査科

はじめに

 糖尿病は,長い経過とさまざまな病態をとるが,その間一貫して症状が乏しいというのが特徴である.特に,わが国の糖尿病の90〜95%を占める2型糖尿病では発症時にはほとんど症状がないため,健診や医師の積極的な検査によって糖尿病の診断を行う必要がある.糖尿病は,慢性に経過するのに伴い細小血管症や大血管症を発症し,著しく人生の質を低下させる.糖尿病治療の目標はこの慢性合併症を予防することであり,そのためには早期診断・早期介入が重要である.
 しかし,糖尿病診断のための検査や判定は,煩雑で難しいという一面がある.糖尿病の診断基準は長い歴史のなかで検討されてきたが,エビデンスに基づいた科学的妥当性,海外の診断基準との整合性,臨床現場での実行可能性などのさまざまな要素を加味した診断基準となっているため,複雑になっている.本稿においては糖尿病の診断基準について,その歴史から解説することにより,糖尿病の検査を正しく理解するための一助となることを期待する.

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