運動における臓器連関の解明

2020.11.15
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連載:FORUM 運動 ■EXERCISE 第3回
運動における臓器連関の解明
Vol.37 No.6(2020年11・12月号)pp.715-717

高橋 宏和 Takahashi, Hirokazu
佐賀大学医学部附属病院 肝臓・糖尿病・内分泌内科/肝疾患センター

はじめに

 「運動の効能は?」と問われたら,読者の皆様はなんと答えるであろうか.特に糖尿病や肥満を対象として,運動療法は確立された治療法である.運動は心肺機能の向上や,筋力・筋量の維持と増加,肥満の是正,耐糖能やインスリン抵抗性の改善,生存予後の延長など多くの効果を示すが,運動は全身に作用し,その背景にはさまざまな臓器連関が存在することが近年の研究で明らかとなっている.臓器連関を背景とした運動の多面的効果を明らかとすることは,運動のメカニズム解析にとどまらず,バイオマーカー開発や運動効果を模倣する創薬研究への展開が期待される.米国では2016年に米国国立衛生研究所(NIH)が中心となり,「The Molecular Transducers of Physical ActivityConsortium(MoTrPAC,モーターパック)」1)を立ち上げ,動物モデルおよびヒトにおける各組織での運動効果の解析が進行中であり,集積されたデータは公開される予定である2).本稿では2020年6月にCell誌で発表されたMoTrPAC の概要3),および運動における臓器連関研究の現状を概説する.

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