第20回 インスリン製剤 (3)

  • 加藤 光敏 (加藤内科クリニック院長)
2015.10.15
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ヒトインスリン製剤の誕生までの道のり

 前回はNPHインスリン(中間型インスリン)まで紹介しましたが、この頃のインスリンはヒトインスリンと比べ、ウシで3個、ブタで1個アミノ酸が異なり、注射部位のアレルギー反応やインスリン抗体の産生などに問題がありました。ヒトインスリンは合成出来ないので、1979年苦し紛れにブタインスリンB鎖C末端のアラニンをスレオニンに酵素転換してヒトインスリンの半合成技術に成功し、アレルギーの問題はかなり改善しました。しかし一人の糖尿病患者さんが使用するインスリンを供給するには年間70頭余りものブタが必要で、供給不足は時間の問題でした。

速効型インスリンの問題

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