Q&AでわかるDKD(糖尿病関連腎臓病)薬物療法のコツとエビデンス
2025.06.25

- タイトル
- Q&AでわかるDKD(糖尿病関連腎臓病)薬物療法のコツとエビデンス
- 書籍の種類
- 単行本
- 編・著者
- 川浪大治
- 出版社
- 南江堂
- 価格(税抜)
- 3,200円
- 発行月
- 2025年06月
- 書籍の対象
- 医師
- 判型/頁
- A5判/128頁
- ISBN
- 978-4-524-22272-8
糖尿病関連腎臓病のエキスパートが非専門医向けに糖尿病関連腎臓病の治療の実際を詳細に解説.どういった患者にどの薬剤を選択するか,各薬剤の使い方はもちろんのこと,臨床試験などのキーとなる情報を余すことなく掲載し薬剤選択のエビデンスもわかる.糖尿病関連腎臓病の明日からの診療に活かせる一冊.
1998年,私が研修医1年目のときに,若くして透析導入を目的として入院してきた1型糖尿病の方を担当することになりました.それまで糖尿病を専攻することは全く考えていませんでしたが,その方から多くのことを学ぶなかで,糖尿病による透析導入を何とかしてなくせないものかと考えるようになり,その後の進路を決めるきっかけとなりました.この患者さんとの出会いが今でも私のモチベーションとなっています.だからこそ,糖尿病診療において腎保護作用のある薬剤を適切に組み合わせ,積極的に投与するべきだという強い考えが私にはあります.そして,臓器連関を意識し,臨床的アウトカム(心血管・腎合併症)を基盤とした治療を指向することが大切だと感じています.
腎臓を守ることは,心臓を守ることにつながり,糖尿病の治療を受けている方々に大きなベネフィットをもたらすと確信しています.その考えを多くの先生方と共有したいという思いを込めて本書を執筆しました.各薬剤のメカニズムやエビデンス,そして論文だけではわかりにくい投与のポイントについてQ&A方式で可能な限りコンパクトにまとめたつもりです.「なぜこの薬剤を投与しなければならないのか」,「どんなエビデンスがあるのか」を簡潔にお伝えすることを心がけ,関連する話題や最新のトピックスについてはコラムで紹介しています.いずれの項目も数分程度でお読みいただける構成となっていますので,診療の合間などの空き時間に手に取っていただけ ると幸いです.
当初,本書を書き上げることができるのか自信がありませんでした.曲がりなりにも完成させることができたのは,多くの人々の支えがあったからです.東京慈恵会医科大学の宇都宮一典名誉教授,田嶼尚子名誉教授のお導きがなければ現在の私はなく,本書の出版にはつながりませんでした.執筆を熱心に勧めていただき,約束以上のサポートをしてくださった南江堂の河野壮一氏,的確な助言をくださった達紙優司氏に心より感謝申し上げます.そして,私が執筆する時間を確保するにあたり,医局員そして秘書,技術職員の方々の存在が欠かせませんでした.日頃の献身的な働きに敬意を表し,厚くお礼を申し上げます.
糖尿病による透析導入抑制に本書が少しでもお役に立てば,これ以上の喜びはありません.