ビグアナイド薬「メトグルコ」の不妊治療に関する追加適応を公知申請 糖尿病治療薬がPCOS患者の不妊治療に貢献

2022.03.29
 大日本住友製薬は3月28日、ビグアナイド系経口血糖降下剤「メトグルコ錠250mg/500mg」(一般名:メトホルミン塩酸塩)について、「多嚢胞性卵巣症候群における排卵誘発」および「多嚢胞性卵巣症候群の生殖補助医療における調節卵巣刺激」を対象に、不妊治療に関する効能・効果の追加を目的とした公知申請を行ったと発表した。

海外ではメトホルミンと他の排卵誘発薬との併用を推奨 PCOS患者の生殖補助医療

 公知申請とは、医薬品(効能追加など)の承認申請で、当該医薬品の有効性・安全性が医学的に公知として、臨床試験の全部または一部を新たに実施することなく行う申請。

 ビグアナイド系経口血糖降下剤であるメトグルコは、日本では2010年より販売されており、メトホルミン製剤は2型糖尿病の第一選択薬として幅広く用いられている。

 今回の申請にかかる効能・効果については、2021年10月に開催された「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で医療上の必要性ありと判断され、厚生労働省より同社に対して開発要請がされた。

 その後、2022年1月に開催された「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で公知申請への該当性が認められ、さらに、2022年2月に開催された薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会で、同申請に係る事前評価が行われ、公知申請を行っても差し支えないと判断された。

 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、生殖年齢女性の5~8%が発症するとされている。PCOSは、世界保健機関(WHO)の性機能障害のグループIIに分類される疾患であり、その排卵障害は不妊症の原因のひとつ。

 メトホルミン塩酸塩は、国際的なガイドラインや国内のガイドラインで、PCOS患者に対する一般不妊治療での排卵誘発の際、他の排卵誘発薬との併用投与が推奨されている。

 また、メトホルミン塩酸塩は、同じく国際的なガイドラインや国内ガイドラインで、PCOS患者での生殖補助医療での調節卵巣刺激の際、他の卵巣刺激薬との併用投与が推奨されている。

メトグルコ錠250mg/メトグルコ錠500mg 添付文書 メトグルコ錠の適正使用のために (医薬品医療機器総合機構)

[ TERAHATA / 日本医療・健康情報研究所 ]

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