2型糖尿病治療薬「ソリクア配合注ソロスター」発売 持効型溶解インスリンとGLP-1受容体作動薬の配合剤 サノフィ
2020.06.10
サノフィは、持効型溶解インスリン「ランタス」とGLP-1受容体作動薬「リキスミア」の配合剤である「ソリクア配合注ソロスター」(一般名:インスリン グラルギン(遺伝子組換え)/リキシセナチド)を、2型糖尿病治療薬として6月8日に発売した。
日本独自の配合比1単位:1μg
「ソリクア」は、基礎インスリン製剤(持効型溶解インスリン)の「インスリン グラルギン(ランタス注)」とGLP-1受容体作動薬の「リキシセナチド(リキスミア皮下注)」が配合された配合剤。インスリン グラルギンが主に空腹時血糖をコントロールし、リキシセナチドは主に食後血糖をコントロールする。 海外では、インスリン グラルギンとリキシセナチドが3単位:1μgおよび、2単位:1μgの配合比の製剤が承認されているが、日本では、日本人の2型糖尿病患者のインスリン グラルギン製剤とリキシセナチド製剤の治療実態等を考慮して、日本独自の配合比1単位:1μgとして開発された。 「ソリクア」は、日本人2型糖尿病患者を対象とした国内第3相臨床試験で、1日1回の投与で空腹時血糖値と食後血糖値のいずれも改善し、インスリン グラルギンと比較して、低血糖と体重増加のリスクを増やさずに統計学的に有意にHbA1c低下を示した。また、リキシセナチドと比較して、胃腸障害の副作用リスクを低減した。この試験結果から、ソリクアは治療強化の必要な日本人2型糖尿病患者に対する新たな治療選択肢として期待できることが示された。 サノフィが「ソリクア」の発売に合わせて開催したメディア向けWebセミナーでは、横浜市立大学大学院医学研究科分子内分泌・糖尿病内科学の寺内康夫教授・診療科部長が下記のことを述べている。・ ベースラインから投与後26週時までのHbA1cの変化量において、試験の主要目的であるランタス群に対するソリクア群の優越性が示された。
・ ベースラインから投与後26週時までのHbA1cの変化量において、試験の主要目的であるリキスミア群に対するソリクア群の優越性が示された。
・ 安全性プロファイルはインスリン グラルギンおよびリキシセナチドそれぞれの既知の安全性プロファイルを反映しており、新たな安全性シグナルは確認されなかった。
・ 同試験により、経口血糖降下薬で十分な血糖コントロールが得られない日本人2型糖尿病患者に対し、ソリクア配合注が新たな治療の選択肢となり得る根拠が示された。
空腹時血糖だけでなく食後血糖も同時に改善することが重要
進行した2型糖尿病患者の病態を考慮すると、空腹時血糖と同時に食後血糖にも注目 して治療を進める必要があると考えられる。 2018年度の調査で、インスリン製剤、GLP-1受容体作動薬を使用している患者では、糖尿病学会の定める合併症予防のための目標値HbA1c7.0%未満を達成している割合は約3割であることが報告されている。また、経口血糖降下薬でコントロール不良な日本人患者に、基礎インスリン製剤を使用した際、空腹時血糖は目標値を達成したものの、HbA1c7.0%未満を達成できていない患者(かくれ高血糖)が35.6%存在しているという報告もあるとしている。販売名 | ソリクア配合注ソロスター |
一般名 | インスリン グラルギン(遺伝子組換え)/リキシセナチド |
効能または効果 | インスリン療法が適応となる2型糖尿病 |
用法および用量 | 通常、成人には、5~20ドーズ(インスリン グラルギン/リキシセナチドとして5~20単位/5~20μg)を1日1回朝食前に皮下注射する。ただし、1日1回5~10ドーズから開始し、患者の状態に応じて増減するが、1日20ドーズを超えないこと。なお、本剤の用量単位である1ドーズには、インスリン グラルギン1単位およびリキシセナチド1μgが含まれる。 |
2020年3月25日 | |
薬価 | 6,497円 |
薬価収載日 | 2020年5月20日 |
発売日 | 2020年6月8日 |
投薬期間制限に関して | 新医薬品に係る投薬期間制限(14日分を限度とする)の対象外となります。 |
関連情報
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]