スイニー(アナグリプチン)

販売名 製品画像 薬価
スイニー錠100mg
スイニー錠100mg
33.00

薬効分類名

選択的DPP-4阻害剤
-2型糖尿病治療剤-

一般的名称

アナグリプチン錠

製造販売元

株式会社三和化学研究所

効能・効果

2型糖尿病

用法・用量

通常、成人にはアナグリプチンとして1回100mgを1日2回朝夕に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら1回量を200mgまで増量することができる。

警告・禁忌

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者[輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]
3.重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリンによる血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]

貯法・有効期間

室温保存

有効期間

3年

規制区分

処方箋医薬品 注)
注) 注意―医師等の処方箋により使用すること

販売開始年月

2012年11月

関連情報(外部サイト)

添付文書

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者[輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]
  3. 2.3 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリンによる血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]

4. 効能又は効果

2型糖尿病

5. 効能又は効果に関連する注意

本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮すること。

6. 用法及び用量

通常、成人にはアナグリプチンとして1回100mgを1日2回朝夕に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら1回量を200mgまで増量することができる。

7. 用法及び用量に関連する注意

重度以上の腎機能障害患者では、下表を目安に用量調節すること。[9.2.1 参照],[16.6.1 参照]

クレアチニンクリアランス(mL/分)

血清クレアチニン値(mg/dL))

投与量

重度腎機能障害患者/末期腎不全患者

Ccr<30

男性:Cr>2.4
女性:Cr>2.0

100mg、1日1回

末期腎不全患者については、血液透析との時間関係は問わない。
) クレアチニンクリアランスに相当する換算値(年齢60歳、体重65kg)

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること。[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]
  2. 8.2 急性膵炎があらわれることがあるので、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の初期症状があらわれた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。[11.1.3 参照]
  3. 8.3 本剤投与中は、血糖を定期的に検査するとともに、経過を十分に観察し、常に投与継続の必要性について注意を払うこと。本剤を2~3カ月投与しても効果が不十分な場合には、より適切と考えられる治療への変更を考慮すること。
  4. 8.4 低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。[11.1.1 参照]
  5. 8.5 本剤とGLP-1受容体作動薬はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有している。両剤を併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確認されていない。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 低血糖を起こすおそれのある以下の患者又は状態
    • 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
    • 栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態
    • 激しい筋肉運動
    • 過度のアルコール摂取者

[8.1 参照],[11.1.1 参照]

  1. 9.1.2 腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者

    腸閉塞を起こすおそれがある。[11.1.2 参照]

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 重度腎機能障害のある患者又は透析中の末期腎不全の患者

    用量調節すること。排泄の遅延により本剤の血中濃度が上昇する。[7. 参照],[16.6.1 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

副作用発現に留意し、経過を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

  • 本剤は主に腎臓から未変化体又は代謝物として排泄され、その排泄には能動的な尿細管分泌の関与が推定される。[16.4 参照],[16.5 参照]

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

糖尿病用薬

  • スルホニルウレア剤
  • α-グルコシダーゼ阻害剤
  • ビグアナイド系薬剤
  • チアゾリジン系薬剤
  • 速効型インスリン分泌促進剤
  • GLP-1受容体作動薬
  • SGLT2阻害剤
  • インスリン製剤等

[11.1.1 参照]

低血糖症状を発現するおそれがある。特に、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はインスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するため、これらの薬剤の減量を検討すること。

血糖降下作用が増強され、低血糖症のリスクが増加するおそれがある。

血糖降下作用を増強する薬剤

  • β-遮断薬
  • サリチル酸製剤
  • モノアミン酸化酵素阻害薬
  • フィブラート系薬剤等

血糖降下作用の増強によりさらに血糖が低下するおそれがある。血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

血糖降下作用が増強されるおそれがある。

血糖降下作用を減弱する薬剤

  • アドレナリン
  • 副腎皮質ホルモン
  • 甲状腺ホルモン等

血糖降下作用の減弱により血糖が上昇するおそれがある。血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

血糖降下作用が減弱されるおそれがある。

ジゴキシン

[16.7 参照]

ジゴキシンの血漿中濃度がわずかに増加したとの報告がある。

機序不明

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 低血糖

    低血糖があらわれることがある。スルホニルウレア剤との併用で重篤な低血糖症状があらわれ、意識消失を来す例も報告されている。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合には、ブドウ糖を投与すること。[8.1 参照],[8.4 参照],[9.1.1 参照],[10.2 参照],[17. 参照]

  2. 11.1.2 腸閉塞(頻度不明)

    高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.1.2 参照]

  3. 11.1.3 急性膵炎(頻度不明)

    持続的な激しい腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.2 参照]

  4. 11.1.4 類天疱瘡(頻度不明)

    水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

0.1~5%未満

頻度不明

消化器

便秘、下痢、胃炎、腹部膨満、腹痛、腹部不快感、血中アミラーゼ上昇、悪心・嘔吐、腸炎、鼓腸、消化性潰瘍、消化不良、胃食道逆流性疾患

過敏症

発疹、そう痒

肝臓

ALT上昇、AST上昇、γ-GTP上昇

精神神経系

めまい

血液

貧血、白血球数増加

その他

便潜血陽性、鼻咽頭炎、浮腫、CK上昇、尿中血陽性、血中尿酸上昇、血中クレアチニン上昇、蜂巣炎、腎嚢胞

倦怠感

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.2 非臨床試験に基づく情報

雌雄ラットに本剤200、600、2000mg/kg/日(2000mg/kg/日群の雄は投与71週以降1000mg/kg/日に減量)を104週間反復経口投与したがん原性試験において、2000/1000mg/kg/日群の雄で肝臓の血管肉腫の発生頻度が増加し、2000mg/kg/日群の雌(60例中1例)で同様の血管肉腫が認められた。また、2000/1000mg/kg/日群の雄で膀胱の移行上皮乳頭腫の発生頻度に増加傾向が認められた。ラットに本剤2000又は1000mg/kg/日を反復経口投与したときの曝露量(AUC)は、臨床での最大投与量(1回200mg、1日2回)の200倍以上又は140倍以上であった。なお、マウスを用いたがん原性試験では、腫瘍の発生頻度増加は認められなかった。

(更新確認日:2025年9月12日)

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