睡眠パターンの乱れは2型糖尿病患者のMASLDリスク上昇と関連

近年、代謝性疾患の修正可能なリスク因子として、睡眠習慣の乱れが注目されており、T2DMと睡眠との関連についても多くの研究で報告されている。ただし、T2DM患者における昼寝を含めた睡眠パターンと、MASLDとの関連は明らかにされていない。このような背景から、Zhu氏らはこの点に関する後ろ向きコホート研究を実施した。
解析対象は、18~85歳のT2DM患者1,900人(年齢中央値56歳〔四分位範囲49~64〕、男性55.5%)とした。1型糖尿病やその他のタイプの糖尿病患者、MASLDを含む肝疾患の既往者、大量飲酒者などは除外された。自記式質問票の回答に基づき、就床時刻、起床時刻、夜間睡眠時間、睡眠の質という4項目を評価した。これらのうち3項目以上が良好と判定される場合を「夜間の睡眠パターンが良好(GNSP)」群、その他を「夜間の睡眠パターンが不良(PNSP)」群とした。また、昼寝の時間が30分以下を「短時間昼寝(SN)」群、30分超を「長時間昼寝(LN)」群とし、これらの組み合わせにより全体を4群に分類した。
平均3.23年の追跡で379人がMASLDを新規発症した。GNSP-SN群を基準として、年齢、性別、糖尿病罹病期間、BMI、腹囲、飲酒・喫煙状況、高血圧、脂質異常症、HbA1c、HOMA-IRで調整後、他の3群はいずれもMASLD発症リスクが有意に高かった。つまり、夜間睡眠パターンの乱れだけでなく、昼寝の時間が長いこともMASLDリスクと有意な関連のあることが示された。GNSP-SN群を基準とした場合、MASLD発症リスクはPNSP-LN群で最も高く(HR 3.51、95%信頼区間〔CI〕 2.53~4.87)、次いでPNSP-SN群(HR 2.54、同1.91~3.37)、GNSP-LN群(HR 1.88、同1.37~2.61)だった。
また、MASLD発症の予測能を、脂肪肝指数(FLI)モデル、およびFLIに睡眠関連指標を追加したモデルとで比較すると、後者において予測能が向上することが示された。具体的には、対象者の7割のデータを用いたモデル開発コホートにおけるAUCが、FLIモデルは0.68、睡眠関連指標追加モデルは0.74であり、対象者の3割のデータを用いた検証コホートにおいては同順に0.68、0.72だった。純再分類改善度(NRI)は0.21(95%CI 0.15~0.27)、統合識別改善度(IDI)は0.06(同0.05~0.08)であり、ともに有意だった(いずれもP<0.001)。
著者らは、「睡眠パターンに基づくリスク評価によりMASLDハイリスク者を特定し、予防的介入につなげられる可能性がある」と述べている。
[HealthDay News 2026年6月29日]
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