ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬、2型糖尿病患者の主要腎イベントリスク上昇と関連

2026.07.07
レニン・アンジオテンシン系阻害薬(RAS阻害薬)およびナトリウム・グルコース共輸送体2阻害薬(SGLT2-i)を使用している2型糖尿病患者において、降圧薬としてジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬(DCCB)を併用した患者は、DCCBを含まない降圧療法を受けた患者と比べて主要腎イベントリスクが高いことが、約3万人を対象としたリアルワールドデータの解析で示された。ラビン医療センター(イスラエル)のTimna Agur氏らが、第63回欧州腎臓学会学術集会(63rd ERA Congress、6月3~6日、英・グラスゴー)で発表した研究で、詳細は6月17日付の「Kidney Medicine」に掲載された。

 糖尿病性腎臓病ではRAS阻害薬が第一選択の降圧薬とされる一方、第2選択薬として推奨されるDCCBの腎保護効果に関するエビデンスは限られている。DCCBは降圧効果に優れ臨床で広く用いられるが、糸球体内圧を上昇させ腎障害を助長する可能性も指摘されている。さらにSGLT2-iが標準治療となった現在、その併用下でDCCBが腎予後に及ぼす影響は明らかになっていなかった。そこで著者らは、この点をリアルワールドデータで検証した。

 著者らは、イスラエル最大の医療機関であるClalit Health Servicesの電子カルテデータを用い、2016~2021年にRAS阻害薬とSGLT2-iを併用していた2型糖尿病患者3万1,031人を対象とする後ろ向きコホート研究を実施した。対象を、DCCBを併用した群(DCCB併用群)とDCCBを含まない降圧療法を受けた群(DCCB非使用群)に分け、患者背景の偏りは逆確率重み付け法(IPTW)で調整した上で、主要腎イベント(推定糸球体濾過量〔eGFR〕が40%以上低下、または末期腎不全への進行〔腎代替療法導入を含む〕)、全死亡、安全性評価項目との関連を検討した。

 対象となった2型糖尿病患者3万1,031人のうち、1万2,172人(39.2%)がDCCB併用群、1万8,859人(60.8%)がDCCB非使用群だった。追跡期間中央値は1,260日で、追跡期間中に482人が主要腎イベントを発症し、2,064人が死亡した。主要腎イベントの発生率はDCCB併用群で1,000人・年当たり6.2件、DCCB非使用群で3.9件だった。

 解析の結果、DCCB併用群では、DCCB非使用群と比べて主要腎イベントリスクが有意に高かった(重み付けハザード比〔HR〕 1.33、95%信頼区間〔CI〕 1.03~1.73、P=0.03)。さらに、死亡を競合リスクとして考慮した解析でも、この関連は有意に維持された(HR 1.39、95%CI 1.13~1.70、P=0.002)。一方、全死亡および安全性評価項目との有意な関連は認められなかった。

 Agur氏は、「DCCBは糖尿病性腎臓病(DKD)患者における第2選択の降圧薬として広く使用されているが、本研究結果は、すでにRAS阻害薬やSGLT2-iといった腎保護療法を受けている患者においても、DCCBが常に最適な選択肢なのかという疑問を提起するものだ」と述べた。

[HealthDay News 2026年6月8日]

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