ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬、2型糖尿病患者の主要腎イベントリスク上昇と関連

糖尿病性腎臓病ではRAS阻害薬が第一選択の降圧薬とされる一方、第2選択薬として推奨されるDCCBの腎保護効果に関するエビデンスは限られている。DCCBは降圧効果に優れ臨床で広く用いられるが、糸球体内圧を上昇させ腎障害を助長する可能性も指摘されている。さらにSGLT2-iが標準治療となった現在、その併用下でDCCBが腎予後に及ぼす影響は明らかになっていなかった。そこで著者らは、この点をリアルワールドデータで検証した。
著者らは、イスラエル最大の医療機関であるClalit Health Servicesの電子カルテデータを用い、2016~2021年にRAS阻害薬とSGLT2-iを併用していた2型糖尿病患者3万1,031人を対象とする後ろ向きコホート研究を実施した。対象を、DCCBを併用した群(DCCB併用群)とDCCBを含まない降圧療法を受けた群(DCCB非使用群)に分け、患者背景の偏りは逆確率重み付け法(IPTW)で調整した上で、主要腎イベント(推定糸球体濾過量〔eGFR〕が40%以上低下、または末期腎不全への進行〔腎代替療法導入を含む〕)、全死亡、安全性評価項目との関連を検討した。
対象となった2型糖尿病患者3万1,031人のうち、1万2,172人(39.2%)がDCCB併用群、1万8,859人(60.8%)がDCCB非使用群だった。追跡期間中央値は1,260日で、追跡期間中に482人が主要腎イベントを発症し、2,064人が死亡した。主要腎イベントの発生率はDCCB併用群で1,000人・年当たり6.2件、DCCB非使用群で3.9件だった。
解析の結果、DCCB併用群では、DCCB非使用群と比べて主要腎イベントリスクが有意に高かった(重み付けハザード比〔HR〕 1.33、95%信頼区間〔CI〕 1.03~1.73、P=0.03)。さらに、死亡を競合リスクとして考慮した解析でも、この関連は有意に維持された(HR 1.39、95%CI 1.13~1.70、P=0.002)。一方、全死亡および安全性評価項目との有意な関連は認められなかった。
Agur氏は、「DCCBは糖尿病性腎臓病(DKD)患者における第2選択の降圧薬として広く使用されているが、本研究結果は、すでにRAS阻害薬やSGLT2-iといった腎保護療法を受けている患者においても、DCCBが常に最適な選択肢なのかという疑問を提起するものだ」と述べた。
[HealthDay News 2026年6月8日]
Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock



