非肥満日本人2型糖尿病患者へのチルゼパチド、BMIに関わらず有意なHbA1c低下 体重減少はBMIが高いほど顕著

チルゼパチドは強力な血糖降下作用と体重減少作用を有するが、第3相試験は主にBMI 23kg/m2または25kg/m2以上の患者を対象としていた。東アジアの2型糖尿病患者は他地域の患者と比較して平均BMIが低く、インスリン分泌低下などの異なる病態生理学的特徴を有している。日本人2型糖尿病患者の平均BMIは約25kg/m2であるが、非肥満のアジア人患者に対するチルゼパチドの有効性を検討した研究は少なく、強力なインクレチン関連薬が非肥満患者において過度の体重減少を引き起こさないかどうか実臨床における安全性の確認が求められていた。
本研究は、北海道の10の専門施設で実施された多施設後向き観察研究「Hokkaido-TZP study」の二次解析。2023年4月から2024年12月の間にチルゼパチドの投与を開始した患者のうち、ベースラインのBMIが25.0kg/m2未満の107名を対象とした。投与開始から6ヵ月以内の有害事象による投与中止例を除外した100名について、ベースラインのBMIに基づき、Low BMI群(22.7kg/m2未満、33名)、Middle BMI群(22.7〜24.1kg/m2、34名)、High BMI群(24.1kg/m2以上、33名)の3群に分けて解析を行った。
安全性の評価において、投与開始から6ヵ月以内に7名が有害事象(胃腸症状、食欲不振、悪心、動悸、肝機能障害)により治療を中止した。中止となった7名は全員がLow BMI群(3名)またはMiddle BMI群(4名)に属しており、High BMI群での中止例は認められなかった。投与期間中に新たにBMIが18.5kg/m2未満の低体重に至った患者はおらず、重症低血糖の発生も認められなかった。
有効性の評価において、投与6ヵ月後にHbA1cは全体で7.83%から6.83%へと有意に低下し、BMIも23.5 kg/m2から22.5 kg/m2へと有意に低下した。HbA1cの低下はLow、Middle、HighのすべてのBMI群で一貫して認められた。一方でBMIの低下幅(絶対値および変化率)は、Low BMI群と比較してHigh BMI群で有意に大きかった。
サブグループ解析において、HbA1cの改善効果は、GLP-1受容体作動薬の過去の使用歴やインスリン治療の有無、薬剤の変更、栄養指導の有無といった要因による有意な影響を受けなかった。 これに対しBMIの低下については、重回帰分析の結果、ベースラインの高BMI、および栄養指導の実施が、それぞれ独立して有意に関連する因子として抽出された。
本研究結果から、チルゼパチドは非肥満日本人2型糖尿病患者において、ベースラインのBMIや過去のインクレチン関連薬の使用に関わらず、一貫した血糖降下作用を示すことが明らかとなった。また、体重減少効果はベースラインの高BMIおよび栄養指導が関連することが示された。






