糖尿病の療養指導Q&A 第3世代のMR拮抗薬

2021.05.15
prev next
連載:糖尿病の療養指導Q&A 第3世代のMR拮抗薬
第3 世代のMR 拮抗薬ともいわれる薬剤(開発中のフィネレノンを含む)について,糖尿病患者における利点と使用上の留意点を, 腎病態との関係のうえで教えてください
Vol.38 No.3(2021年5・6月号)pp.372-374

2021年5・6月号 目次

大分大学医学部 内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学講座
吉田 雄一 ● Yoshida, Yuichi
柴田 洋孝 ● Shibata, Hirotaka

はじめに

 ミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬は,MR とそのリガンドであるアルドステロンが結合するのを防ぐ薬剤です.腎臓の皮質集合管において,アルドステロンによって活性化したMR が同部位でのNa-K-ATPase, 上皮性Na チャネル(ENaC),KチャネルROMK を活性化させ,尿中ナトリウムを再吸収しカリウム排泄を亢進する,という作用を抑制させます().この作用によってナトリウムが排泄され,カリウムが再吸収されることからカリウムが保持される利尿薬として使用されてきました.MR は腎臓の皮質集合管以外にも血管や心臓,脳といった多くの臓器に存在することが確認されており,MR 拮抗薬はこれらをブロックし,アルドステロンによる直接の血管障害などを防ぐ効果が期待されるなど,利尿薬としての作用以外の効果もあり最近ではカリウム保持性利尿薬と呼ばれず,MR 拮抗薬と呼ばれるようになりました.これまでMR 拮抗薬としてスピロノラクトンやエプレレノンが使用されていましたが,第3 世代のMR 拮抗薬として2019 年にはエサキセレノンが使用できるようになり,近い将来フィネレノンがわが国で使用可能となる予定です.MR 拮抗薬は降圧薬の分野のなかでもいま一番話題となっている薬剤といえるでしょう.

このコンテンツは糖尿病リソースガイドの有料会員登録後にお読みいただけます。

  • ・糖尿病・内分泌医療を中心に、新しい時代の臨床現場を支援する糖尿病・内分泌プラクティスWebの閲覧が可能
  • ・糖尿病プラクティス(2020~2022年・3年間分)の記事や、本サイトが厳選したスペシャルコンテンツが閲覧可能
  • ・メールマガジン週1回配信 最新ニュースやイベント・学会情報をもれなくキャッチアップ
  • ・糖尿病の治療に関するアンケートに参加可能、回答はメルマガやウェブで公開
  • ・その他、有料会員向けコンテンツ・サービスを企画中!乞うご期待ください

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

糖尿病関連デジタルデバイスのエビデンスと使い方 糖尿病の各薬剤を処方する時に最低限注意するポイント(経口薬) 血糖推移をみる際のポイント!~薬剤選択にどう生かすか~
妊婦の糖代謝異常(妊娠糖尿病を含む)の診断と治療 糖尿病を有する女性の計画妊娠と妊娠・分娩・授乳期の注意点 下垂体機能低下症、橋本病、バセドウ病を有する女性の妊娠・不妊治療
インスリン・GLP-1受容体作動薬配合注 GIP/GLP-1受容体作動薬(チルゼパチド) CGMデータを活用したインスリン治療の最適化 1型糖尿病のインスリン治療 2型糖尿病のインスリン治療 最新インスリン注入デバイス(インスリンポンプなど)
肥満症治療薬としてのGLP-1受容体作動薬 肥満症患者の心理とスティグマ 肥満2型糖尿病を含めた代謝性疾患 肥満症治療の今後の展開
2型糖尿病の第1選択薬 肥満のある2型糖尿病の経口薬 高齢2型糖尿病の経口薬 心血管疾患のある2型糖尿病の経口薬

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新特集記事

よく読まれている記事

関連情報・資料