血糖不安定指数

  • 後藤 由夫 (東北大学名誉教授、東北厚生年金病院名誉院長)
2015.09.21
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1. 血糖日内リズムの予測できない変動

 1970年頃は、糖尿病の人が入院するとその治療効果を評価するために毎日尿糖排泄量を定量し、週に1度位は毎食前後と就寝時の7回血糖測定を行っていた。家では多食している人が多かったので入院して食事が制限されると尿糖排泄量が日に日に減少し、患者さんも喜んだ。病院食以外に食べるとすぐに尿糖量が多くなるのでわかるわけである。血糖の日内変動曲線はだいたい予想通りのことが多いのであるが、予測を越えて変動する次のような例に遭遇した。

症例 18歳男性
 14歳のとき糖尿病と診断され、それ以来インスリン治療を続けていたがコントロール不良のため弘前大学病院に紹介されて6月末入院。身長153cm、体重47kg。入院後、血糖日内変動曲線をみてインスリンの注射量、注射時間などを変えてみたが、長期間にわたって安定したコントロールが得られなかった。入院後の空腹時血糖値の経過は

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