診断基準がないのに診断していた

  • 後藤 由夫 (東北大学名誉教授、東北厚生年金病院名誉院長)
2014.02.05
prev next

1. 尿検査は医師の仕事

 糖尿病の診断基準は1955年頃まではなかった。内科診断学書にも症状と尿糖検査法のことしか書かかれていなかった。当時の内科外来では、新患患者さんには看護婦が身長、体重、脈拍数と体温を測り、新入医局員が血圧を測った。すべての患者さんにガラスのコップに尿をとらせ、新入医局員が尿を試験管にとって、ズルホサルチル酸試薬を滴下してたんぱくの有無、ニーランデル反応で糖の有無をみた。ニーランデル反応では尿糖の濃度に応じて褐色、黒色と変わり、トロンメル試験では硫酸銅の青色が黄色、褐色となり、ベネデクト試薬では図のように変色した。糖の検査ではいずれもアルコールランプやブンゼン燈で加熱して反応させてたが、試薬によって加熱する場所にコツがあった。

続きは無料の会員登録後にお読みいただけます。

  • ・糖尿病診療・療養指導に役立つ会員向けコンテンツ
  • ・メールマガジン週1回配信 最新ニュースやイベント・学会情報をもれなくキャッチアップ
  • ・糖尿病の治療に関するアンケートに参加可能、回答はメルマガやウェブで公開
=必須項目
半角英数記号8文字以上
当サイト利用規約

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

脂質異常症の食事療法のエビデンスと指導 高TG血症に対する治療介入を実践 見逃してはいけない家族性高コレステロール血症
SGLT2阻害薬を高齢者でどう使う 週1回インスリン製剤がもたらす変革 高齢1型糖尿病の治療 糖尿病治療と認知症予防 高齢者糖尿病のオンライン診療 高齢者糖尿病の支援サービス
GLP-1受容体作動薬の種類と使い分け インスリンの種類と使い方 糖尿病の経口薬で最低限注意するポイント 血糖推移をみる際のポイント~薬剤選択にどう生かすか~ 糖尿病関連デジタルデバイスの使い方 1型糖尿病の治療選択肢(インスリンポンプ・CGMなど) 二次性高血圧 低ナトリウム血症 妊娠中の甲状腺疾患 ステロイド薬の使い分け 下垂体機能検査
NAFLD/NASH 糖尿病と歯周病 肥満の外科治療-減量・代謝改善手術- 骨粗鬆症治療薬 脂質異常症の治療-コレステロール低下薬 がんと糖尿病 クッシング症候群 甲状腺結節 原発性アルドステロン症 FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症 褐色細胞腫

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新特集記事

よく読まれている記事

関連情報・資料