GLP-1受容体作動薬「ウゴービ皮下注MD」を発売 1本のペン型注入器で4回分の投与が可能 1ヵ月分の注射が1本に ノボ

2025.07.25
 ノボ ノルディスク ファーマは、週1回皮下投与のGLP-1受容体作動薬であるウゴービ皮下注の新たな製品である「ウゴービ皮下注MD」(一般名:セマグルチド(遺伝子組換え))を発売した。

 1本のペン型注入器で複数回の投与が可能で、週1回の投与に必要な薬液が用量ごとに4回分あらかじめ充填されている。

1本のペン型注入器で複数回投与可能
4回分をあらかじめ充填

 ノボ ノルディスク ファーマは、週1回皮下投与のGLP-1受容体作動薬であるウゴービ皮下注(一般名:セマグルチド(遺伝子組換え))の新たな製品である「ウゴービ皮下注0.25mgペン 1.0MD」「ウゴービ皮下注0.5mgペン 2.0MD」「ウゴービ皮下注1.0mgペン 4.0MD」「ウゴービ皮下注1.7mgペン 6.8MD」「ウゴービ皮下注2.4mgペン 9.6MD」を発売した。

 「ウゴービ皮下注MD」は、1本のペン型注入器で複数回の投与が可能な製剤で、「MD」はMultiple Doseをあらわす。週1回の投与に必要な薬液が用量ごとに4回分あらかじめ充填されている。

 約1ヵ月分の注射が1本に収まり、患者の保管や持ち運びの負担を軽減し、これまでのペン型注入器と比べて廃棄量が少なく、利便性と持続可能性を兼ね備えた製剤としている。

 「ウゴービ皮下注MD」は、市販されているJIS T 3226-2に準拠したA型専用注射針が使用できるため、より細い注射針を選択することも可能だ。同社が日本で2010年に同タイプの注入器を発売して以降、2型糖尿病治療薬のGLP-1受容体作動薬などの注入器として15年間使用されている実績がある。

 「ウゴービ皮下注SD」は、2023年3月27日に以下の適応症について国内の医薬品製造販売承認を取得し、2023年11月22日に薬価基準に収載され、2025年1月15日にウゴービ皮下注の剤形追加医薬品として国内の医薬品製造販売承認を取得し、2025年5月21日に薬価基準に収載された。また、2025年3月5日に心血管アウトカム試験(SELECT試験)の結果にもとづき、電子化された添付文書(電子添文)の改訂が行われた。

* SELECT試験の結果にもとづいた電子添文における変更点は以下の通り
「17. 臨床成績」の「17.1有効性及び安全性に関する試験」に「17.1.4プラセボ対照二重盲検比較試験 (国際共同第III相試験)」の結果を追加

 同社では、「"肥満症とともに生きるすべての人々が最適な治療と支援を受けられる環境をつくる"というビジョンのもと、医療従事者の意思決定を支援するため、ウゴービ皮下注MDの安全な適正使用に関する情報を可能な限り多くの医療従事者の方々に提供するとともに、引き続き、患者さんをはじめすべてのステークホルダーへ肥満症に関する正しい理解促進を通じて、肥満症患者さんの健康を支援していく所存です」と述べている。

ウゴービ皮下注MD 概要
販売名
(英文表記)
ウゴービ皮下注MD
(WegovySubcutaneous Injection MD)
一般名
(英文表記)
セマグルチド (遺伝子組換え)
Semaglutide (Genetical Recombination)
効能・効果 肥満症
ただし、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。
・ BMIが27kg/m²以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
・ BMIが35kg/m²以上
用法・用量 通常、成人には、セマグルチド (遺伝子組換え) として0.25mgから投与を開始し、週1回皮下注射する。その後は4週間の間隔で、週1回0.5mg、1.0mg、1.7mgおよび2.4mgの順に増量し、以降は2.4mgを週1回皮下注射する。なお、患者の状態に応じて適宜減量する。
包装 ウゴービ皮下注0.25mgペン 1.0MD 1筒1.5mL x 2本入り
ウゴービ皮下注0.5mgペン 2.0MD 1筒1.5mL x 2本入り
ウゴービ皮下注1.0mgペン 4.0MD 1筒3mL x 2本入り
ウゴービ皮下注1.7mgペン 6.8MD 1筒3mL x 2本入り
ウゴービ皮下注2.4mgペン 9.6MD 1筒3mL x 2本入り
承認年月日 2025年1月15日
薬価基準収載日 2025年5月21日
薬価 ウゴービ皮下注0.25mgペン 1.0MD 6,525円/キット
ウゴービ皮下注0.5mgペン 2.0MD 1万1,477円/キット
ウゴービ皮下注1.0mgペン 4.0MD 2万703円/キット
ウゴービ皮下注1.7mgペン 6.8MD 3万2,853円/キット
ウゴービ皮下注2.4mgペン 9.6MD 4万4,485円/キット
発売日 2025年7月18日
製造販売元 ノボ ノルディスク ファーマ株式会社

ウゴービ皮下注MD 添付文書 医薬品ガイド (医薬品医療機器総合機構)
ウゴービ 肥満症治療剤 持続性GLP-1受容体作動薬 (ノボ ノルディスク プロ)

 SELECT試験は心血管疾患(心筋梗塞、脳卒中または末梢動脈疾患)の既往を有し、45歳以上でBMIが27以上の過体重(BMI 25~30)または肥満(BMI 30以上)の成人1万7,604例[セマグルチド群8,803例(日本人177例)、プラセボ群8,801例(日本人180例)]を対象に、主要評価項目である主要心血管イベント(MACE)(心血管死、非致死性心筋梗塞または非致死性脳卒中)の最初の発現までの時間の解析で、セマグルチド2.4mg投与群でプラセボと比較して20%の発現リスクの低下がみられ、セマグルチド2.4mgのプラセボに対する優越性が検証された。
Semaglutide and Cardiovascular Outcomes in Obesity without Diabetes (New England Journal of Medicine 2023年11月11日)
[ TERAHATA / 日本医療・健康情報研究所 ]

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