「フレイル予防のポピュレーションアプローチに関する声明と提言」を発表 フレイル予防啓発に関する有識者委員会
行政や産業界などが連携して地域住⺠の集団に対してフレイル啓発・環境整備
(フレイル予防推進会議)
医療経済研究・社会保険福祉協会のフレイル予防啓発に関する有識者委員会(委員⻑:葛谷雅文)は、「フレイル予防のポピュレーションアプローチに関する声明と提言」をまとめ公開を開始した。
フレイルは、日本語にすると「虚弱な」という意味で、健康な人と要介護の人のあいだにある、「介護が必要になる一歩手前」の状態のこと。
具体的には、(1) 体重減少、(2) 筋⼒低下、(3) 疲労感、(4) 緩慢さ(歩行速度低下)、(5) 身体活動の低下の5項目のうち3つ以上が該当する場合をフレイル、1つまたは2つ該当する場合をプレフレイル(フレイル予備群)としている。
健康に生活できる状態で少しでも長くするために、フレイルをしっかり予防し対策していくことが重要と、近年注目が集まっている。
そこで同委員会では、「フレイルには可逆性があり、国⺠自身の努⼒次第で大きな可能性を切り開くことができる。世代間連携を含めて、住⺠自身の⼒でその住む町を快活なコミュニティにしていくなど、"自助・互助"の生み出す⼒を重視した健康⻑寿のまちづくりの実現を目指すべき」などと提言している。
具体的な行動指針を提示 地域でのフレイル予防の実例も
同委員会では、フレイル予防のポピュレーションアプローチを、「行政や産業界などがそれぞれあるいは連携して、地域住⺠の集団(健常な人とフレイルに該当する人すべて)に対して行うフレイルの啓発(一次予防)から環境整備(ゼロ次予防)にいたる、一連のフレイル予防の対策の展開の体系」としている。
フレイル予防のポピュレーションアプローチを担当する専門職などに向けて、具体的な行動指針として、主に次のことを挙げている。
食事の行動指針 | 体格や適正体重、摂取エネルギー、食品多様性、摂取タンパク質、ビタミンDなどに対する具体的な推奨内容など |
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口腔機能の行動指針 | フレイルと口腔機能の関係など |
身体活動・運動の行動指針など | |
社会参加(社会活動)の行動指針 | 人との交流や社会活動への参加など |
声明・提言では参考資料として、フレイル予防のポピュレーションアプローチの体制の例として、それぞれの地域でのフレイル予防拠点の設置についての実例も紹介している。
さらに、「フレイル予防住民啓発用パンフレット説明問答集」「フレイル予防のポピュレーションアプローチの推進に関する地方公共団体担当者向け基本問答集」なども公開している。
フレイル予防のポピュレーションアプローチに関する声明と提言
主な目次
- はじめに
- フレイルの概念及びその特徴と構造
- フレイル予防のポピュレーションアプローチの重要性
- ポピュレーションアプローチに主眼をおいたフレイル予防の体系的かつ統一的な声明
(2) フレイル予防のポピュレーションアプローチにおける行動指針
(3) フレイル予防のポピュレーションアプローチの展開の手法
(4) フレイルに関するデータの解析やポピュレーションアプローチの効果の計測などの調査研究の重要性
- おわりに ― 幅広い関係者によるフレイル予防推進活動の展開への提言
フレイル予防のポピュレーションアプローチにおける行動指針
第一部 一般向け
第二部 フレイル予防のポピュレーションアプローチを担当する方向け
フレイル予防のポピュレーションアプローチに関する声明と提言(参考資料) 医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構