脂肪性肝疾患の新しい日本語病名を発表 「代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)」など 日本肝臓学会と日本消化器病学会
2024.08.28
日本肝臓学会と日本消化器病学会は、脂肪性肝疾患の新しい日本語病名を発表した。新しい日本語病名は、「脂肪性肝疾患(SLD)」「代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)」「代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)」など。
脂肪性肝疾患の新しい日本語病名を発表
今回の変更の背景として、欧州肝臓学会(EASL)が、米国肝臓病学会(AASLD)、ラテンアメリカ肝疾患研究協会(ALEH)と合同で、脂肪性肝疾患の病名と分類法を変更することを、2023年6月に発表したことがある。日本の両学会はこの変更に賛同し、同年9月にその旨を発表していた。
日本語での新たな病名に関して、日本肝臓学会の企画広報委員会と日本消化器病学会のNAFLD/NASH診療ガイドライン作成委員会は合同で検討を続け、以下のように決定し、両学会の理事会の承認を得たとしている。新しい日本語病名を、両学会の案として日本医学会に提出し、医学用語管理委員会でも承認されたとしている。
脂肪性肝疾患の新しい日本語病名
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Steatotic Liver Disease | SLD | 脂肪性肝疾患 |
Metabolic Dysfunction Associated Steatotic Liver Disease | MASLD | |
Metabolic Dysfunction Associated Steatotohepatitis | MASH | 代謝機能障害関連脂肪肝炎 |
Alcohol Associated (Related) Liver Disease | ALD | アルコール関連肝疾患 |
MetALD | ||
Cryptogenic Steatotic Liver Disease | 成因不明脂肪性肝疾患 | |
Specific Aetiology Steatotic Liver Disease | 特定成因脂肪性肝疾患 |
なお、MASLD、MetALD、ALDの診断に際して利用する心血管イベントのリスク因子基準およびアルコール摂取量に関しては、日本のメタボリック症候群ないしアルコール性肝障害の基準とは異なる部分があるとしている。
その整合性をどうするかに関しては、日本肝臓学会の企画広報委員会と日本消化器病学会のNAFLD/NASH診療ガイドライン作成委員会が合同で検討を続けており、結果がまとまり次第、報告するとしている。
[ TERAHATA / 日本医療・健康情報研究所 ]