「イメグリミン」の日本人2型糖尿病患者を対象とした販売後試験の結果 腎機能障害患者への投与の安全性と忍容性を確認
イメグリミンの腎機能障害患者への投与の安全性と忍容性を確認
住友ファーマは、国内で販売中の2型糖尿病治療薬「ツイミーグ錠500mg」(一般名:イメグリミン塩酸塩)について、医薬品リスク管理計画書にもとづく、腎機能障害をともなう日本人2型糖尿病患者を対象とした製造販売後臨床試験(TWINKLE:TWYMEEG in diabetic patients with renal impairment: A post-marketing long-term study)の解析結果の速報を公表した。
同試験は、食事・運動療法以外の2型糖尿病治療経験がないまたはインスリン製剤を除く他の血糖降下薬の単独療法で血糖マネジメントが不十分な、腎機能障害をともなう日本人2型糖尿病患者60人を対象とした非盲検、非対照の長期投与試験。
推算糸球体濾過量(eGFR)が15mL/min/1.73m²以上45mL/min/1.73m²未満の患者に、同剤1回500mgを1日2回、もしくはeGFRが15mL/min/1.73m²未満の患者に、同剤1回500mgを1日1回の単独療法、またはインスリン製剤を除く他の血糖降下薬1剤との併用療法で52週間経口投与したときの安全性および忍容性を評価した。
その結果、有害事象の発現割合は68.3%(60人中41人)であり、ほとんどの有害事象は軽度または中等度だった。重篤な有害事象の発現割合は16.7%(60人中10人)で、いずれも同剤との因果関係は否定された。死亡に至った有害事象はなく、投与中止にいたった有害事象は6.7%(60人中4人)だった。
同試験での有害事象の発現割合、種類および重症度は、これまでに実施された臨床試験と大きな違いはなく、腎機能障害をともなう日本人2型糖尿病患者での同剤の安全性および忍容性が示された。
腎機能障害患者への投与について添付文書改訂を目指す
「ツイミーグ(イメグリミン)」は、ミトコンドリアへの作用を介して、グルコース濃度依存的なインスリン分泌を促す膵作用と、肝臓・骨格筋での糖代謝を改善する膵外作用(糖新生抑制・糖取込み能改善)により血糖降下作用を示す。
同剤は、糖尿病によって引き起こされる細小血管・大血管障害の予防につながる血管内皮機能および拡張機能の改善作用や、膵臓β細胞の保護作用を有する可能性がある。この特徴的な作用機序により、同剤は、2型糖尿病治療での単剤および併用による血糖降下療法で使用されている。
同剤は現在、添付文書の記載では、eGFRが45mL/min/1.73m²未満の腎機能障害患者には投与が推奨されていない。
住友ファーマは、試験結果をもとにeGFRが45mL/min/1.73m²未満の腎機能障害患者への投与について、2024年度に添付文書改訂の相談を行う予定としている。
販売名 | ツイミーグ錠500mg |
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一般名 | イメグリミン塩酸塩 |
ツイミーグ錠500mg:1錠中イメグリミン塩酸塩500mg | |
効能・効果 | 2型糖尿病 |
用法・用量 | 通常、成人にはイメグリミン塩酸塩として1回1,000mgを1日2回朝、夕に経口投与する。 |
ツイミーグ錠500mg 添付文書 医薬品ガイド (医薬品医療機器総合機構)
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