GLP-1と健康的な生活習慣遵守の併用で2型糖尿病の心血管イベントリスクが低下

2026.03.13
2型糖尿病患者において、GLP-1受容体作動薬と健康的な生活習慣(低リスク生活習慣)遵守の併用により、いずれかを単独で行うよりも主要心血管イベント(MACE)のリスクが大きく低下したとの研究結果が報告された。米国の大規模前向きコホート研究によるもので、2026年2月25日付けで『The Lancet Diabetes & Endocrinology』に掲載された。

 健康的な生活習慣(低リスク生活習慣)の遵守とGLP-1受容体作動薬の長期的な併用が心血管アウトカムに及ぼす影響は、これまで明らかにされていなかった。本研究は、GLP-1受容体作動薬の使用と8つの低リスク生活習慣の遵守が、心血管アウトカムにどのような複合的関連をもたらすかを評価する目的で実施された。

 本研究は、米国退役軍人省が主導する大規模な健康データベース「Million Veteran Program」のデータを用いた前向きコホート研究。対象は、2011年1月10日から2023年9月30日までに同プログラムに登録された2型糖尿病患者。参加者は、ベースライン時点において心筋梗塞、脳卒中、または進行した慢性腎臓病の既往歴がない者に限定された。

 本研究において評価された低リスク生活習慣は、「質の高い食事」「身体活動」「非喫煙」「十分な睡眠」「過度な飲酒をしない」「良好なストレス管理」「社会的つながりとサポート」「オピオイド使用障害がない」の8項目であった。主要評価項目は、MACE(非致死性脳卒中、非致死性心筋梗塞、心血管死)の発生とし、Cox比例ハザード回帰モデルを用いて、GLP-1受容体作動薬の使用および低リスク生活習慣の遵守状況に応じたリスクが評価された。

 登録された963,753人のうち、合計98,261人の参加者が本研究に組み入れられ、追跡期間は632,543人年であった。追跡期間中に10,443人がMACEを発症した。解析の結果、8つすべての低リスク生活習慣を遵守した参加者では、遵守した生活習慣が1つ以下の参加者と比較して、MACEの多変量調整ハザード比(HR)は0.40(95%CI 0.30~0.54)であった。また、GLP-1受容体作動薬使用者は、非使用者と比較して多変量調整HRが0.84(95%CI 0.76~0.92)であった。

 さらに、GLP-1受容体作動薬を使用し、かつ6〜8つの低リスク生活習慣を遵守した参加者は、GLP-1受容体作動薬を使用せず、遵守した生活習慣が3つ以下の参加者と比較して、MACEのリスクが43%低下した(HR 0.57、95%CI 0.46~0.71)。

 本研究では、GLP-1受容体作動薬と低リスク生活習慣の遵守の併用は、いずれかを単独で行うよりも、より大きなMACEリスクの低下と関連していた。本論文の責任著者は本研究結果について、「GLP-1受容体作動薬が高い有効性を示している現在でも、糖尿病管理と心血管リスク低減において生活習慣が中心であり、治療薬の効果を大幅に高めることができることを強調するものである」としている。

[ 糖尿病リソースガイド編集部 / 日本医療・健康情報研究所 ]

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