SGLT2阻害薬・GLP-1受容体作動薬、高齢2型糖尿病のフレイル進行を遅らせる可能性

2026.02.25
SGLT2阻害薬およびGLP-1受容体作動薬が、他の治療薬と比較して、高齢2型糖尿病における1年間のフレイル進行を有意に遅らせたとの研究結果が、このたび米国の研究グループより報告された。本研究結果では、両剤が心血管系へのベネフィットとは独立したメカニズムによってフレイルの進行を遅らせる可能性が示唆されている。

 2型糖尿病患者では慢性炎症、筋力低下、心血管疾患、そして治療に伴う心身の負担により、フレイルのリスクが高くなる。前臨床研究では、GLP-1受容体作動薬とSGLT2阻害薬は、細胞老化を減らし、ミトコンドリア機能、炎症、酸化ストレスを改善することで虚弱を予防する可能性が示唆されている。臨床研究でも、両剤の心血管系と腎臓への影響は報告されているが、フレイルに関しては未だ不明である。

 そこで本研究では、米国のMedicare保険請求データの全国7%サンプルを分析。2型糖尿病と診断され、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬、SU薬のいずれかを新たに開始した65歳以上の高齢者を対象に、請求ベースのフレイル指数(claims-based frailty index:CFI)を用いて、1年間のフレイル進行を比較した。また、心血管イベントまたは安全性イベントがフレイル進行にどの程度寄与しているかを定量化するために、媒介分析を行った。

 その結果、DPP-4阻害薬使用者と比較して、GLP-1受容体作動薬使用者(−0.007 [95%CI:−0.011~−0.004])、SGLT2阻害薬使用者(−0.005 [−0.008~−0.002])では平均CFI変化量が有意に低かった。SU薬使用者では差は認められなかった。またこれらの関連に対して、心血管イベント、安全性イベントの媒介はわずかであった。このことから、GLP-1受容体作動薬ならびにSGLT2阻害薬は、心血管系への影響とは独立したメカニズムによって、フレイルの進行を遅らせる可能性が示唆された。

 筆頭著者のChan Mi Park氏は、「SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬は主に血糖管理や心血管保護を目的として処方されているが、本研究結果は、これらの薬剤が高齢糖尿病患者の身体機能維持に寄与する可能性を示している」と述べている。

 本研究は、米国・ヒンダ&アーサー・マーカス老年研究所の研究グループにより実施された。研究成果は2025年11月13日付で「Diabetes Care」オンライン版で公開されたのち、同誌2026年1月号に掲載された。

[ 糖尿病リソースガイド編集部 / 日本医療・健康情報研究所 ]

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