CKD・2型糖尿病併発患者へのフィネレノン、ベースライン時点の治療状況にかかわらず一貫して心血管・腎イベントリスクを低減

米国糖尿病学会(ADA)は、慢性腎臓病(CKD)と2型糖尿病を併発する患者における心血管・腎イベントリスクを低減するため、複数の包括的な治療目標(HbA1c 7.0%以下、血圧 130/80mmHg未満、LDLコレステロール 70mg/dL未満、SGLT2阻害薬またはGLP-1受容体作動薬の使用)の達成を推奨している。本研究では、非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)であるフィネレノンの治療効果が、ベースライン時点でADA治療目標をいくつ達成しているかによって変化するかどうかを探索的に評価した。
本研究は、第3相無作為化二重盲検多施設共同試験である「FIDELIO-DKD」および「FIGARO-DKD」の参加者レベルのデータを統合した事前指定解析「FIDELITY」として実施された。2型糖尿病と慢性腎臓病を有する患者が、フィネレノン投与群またはプラセボ投与群に1対1で無作為に割り付けられた。ベースライン時に達成していた治療目標数(0、1、2、3個以上)ごとにサブグループ化し、複合心血管アウトカム(心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、または心不全による入院)、複合腎アウトカム(腎不全、eGFRのベースラインからの57%以上の持続的低下、または腎疾患による死亡)、心不全による入院または心血管死、心不全による入院単独、および治療下で発現した有害事象について評価が行われた。
ベースライン時点における治療目標達成数ごとの参加者の割合は、0個:29%、1個:40%、2個:24%、3個以上:7%であった。プラセボ群における100患者年あたりの複合心血管アウトカムのイベント数は、治療目標達成数0個:6.0件、1個:5.1件、2個:4.3件、3個以上:3.5件であり、ベースライン時に多くの治療目標を達成している患者ほど、心血管イベントの発生リスクが低いことが確認された。他の評価項目についても同様の傾向が観察された
一方で、プラセボと比較したフィネレノンの有効性に関しては、複合心血管アウトカムおよび各種アウトカムのいずれにおいても、ベースライン時の治療目標達成数によるサブグループ間で有意な不均一性は認められなかった。すなわち、事前の治療目標の達成状況に依存することなく、フィネレノンは一貫したリスク低減効果を示した。さらに、プラセボと比較したフィネレノンの安全性プロファイルについても、すべてのサブグループ間で同様の傾向であった。
これらの結果から、2型糖尿病と慢性腎臓病を併発する患者において、フィネレノンの投与はベースライン時点での治療目標の達成状況にかかわらず、心血管および腎臓に対する一貫した治療上の有益性がある可能性が示唆された。




