アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」をFDAが承認 認知症の進行と認知機能の低下を抑制
ADのフル承認を取得した世界初かつ唯一の治療薬に
レカネマブは今回の承認により、アルツハイマー病(AD)の進行を抑制し、認知機能と日常生活機能の低下を遅らせることを示す、フル承認を取得した世界初かつ唯一の治療薬となった。
レカネマブは、アミロイドベータ(Aβ)の可溶性(プロトフィブリル)および不溶性凝集体に対するヒト化IgG1モノクローナル抗体。
レカネマブは、この進行性のADを治療するために、継続的に蓄積されるもっとも神経毒性の高いAβ(Aβプロトフィブリル)をターゲットとして除去し、既存のプラークを除去する。
エーザイが開発および薬事申請をグローバルに主導し、同社の最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行うとしている。
認知症スコアを27%抑制 軽度認知症でのADLでは37%のベネフィット
「レカネマブ」は臨床試験で、多様な人種・民族、併存疾患や併用治療薬、ADによる軽度認知障害(MCI)と軽度ADなど、米国メディケア受給者に一般化可能な集団で、臨床的に意義のある認知・機能低下を抑制することが示された。
「レカネマブ」のフル承認は、エーザイの大規模グローバル臨床第3相検証試験であるClarity AD試験のデータにもとづいている。
主要評価項目は、全般臨床症状の評価指標であるCDR-SBであり、レカネマブは臨床的認知症尺度のスコアであるCDR-SBでの18ヵ月時点の臨床症状の悪化をプラセボと比較して27%抑制した。
また、副次評価項目のひとつである、衣服の着脱、食事、地域活動への参加など当事者様が自立して生活する能力を介護者が評価するADCS MCI-ADLでは、有意に37%のベネフィットが認められたとしている。
適応症 | レカネマブの適応症はアルツハイマー病(AD)の治療であり、レカネマブによる治療は、臨床試験と同様、ADによる軽度認知障害または軽度認知症の患者において開始すること。 |
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警告:アミロイド関連画像異常(ARIA)
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アミロイド関連画像異常
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副作用 |
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