「FreeStyleリブレ 2」発売 1分毎にグルコース値をリアルタイムに測定 選択式アラート機能も追加 糖尿病管理のために進歩 アボット

2024.03.29
 アボットジャパン合同会社は、糖尿病とともに生きる人が糖尿病の自己管理のために利用できる持続グルコース測定器「FreeStyleリブレ 2」を発売した。

 2017年に発売した「FreeStyleリブレ」の次世代製品で、1分毎にグルコース値をリアルタイムに測定でき、選択式アラート機能を備えるなど、さらに進歩している。

1分毎にグルコース値をリアルタイムに測定でき、選択式アラート機能も備える

 「FreeStyleリブレ 2」は、1分毎にグルコース値をリアルタイムに測定でき、14日間にわたる安定した測定精度を有する。さらに、選択式アラート機能が加わったことで、低血糖/高血糖の検出を補助する。

 使いやすく、いつでもどこでも「血糖トレンド」を可視化することで、患者の行動変容を促し、より良い血糖管理に貢献するとしている。

 日本では、糖尿病を管理するために血糖自己測定(SMBG)が広く行われているが、SMBGは測定時の血糖値をピンポイントで把握することはできるものの、血糖値スパイクや低血糖/高血糖などの夜間を含めた24時間血糖変動の検出は限定的であるという課題がある。また、指先穿刺をともなう採血が必要であり、適切な場所や時間を確保する必要がある。

 東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科 主任教授の西村理明先生は次のように述べている。

 糖尿病のある方は、糖尿病と診断された後に生活習慣改善の取り組みを行ったとしても、HbA1cなどの指標に改善がみられない場合は少なくありません。その際、多くの方が成功感を得られず、治療継続の意欲を維持することに難しさを感じています。
 しかしFreeStyleリブレ 2は、1分毎に測定されたグルコース値がリアルタイムに表示されるので、グルコースプロファイルを改善し、さらに選べるアラートを備えているので低血糖/高血糖を軽減し、より良い血糖管理の達成に寄与します。
 糖尿病のある人々では、24時間のグルコースプロファイルを継続的にモニタリングすることで、ご自身のライフスタイルとグルコース値の変動などの関係をより深く理解し、糖尿病のより良い管理ならびに糖尿病合併症のリスク軽減につながることが期待できます。
 FreeStyleリブレ関連製品は日本の糖尿病とともに生きる方を対象とした臨床試験・エビデンスが豊富にあり、この点においても、FreeStyleリブレ 2の有用性は期待できると考えています。

FreeStyleリブレ 2センサー FreeStyleリブレLinkアプリ画面

 アボットは、2023年にFreeStyleリブレを使用している患者向けサポートプログラム「FreeStyleリブレケア」のLINE公式アカウントも開設した。ユーザーはLINEから簡単にFreeStyleリブレケアに登録でき、登録すると、FreeStyleリブレの適切な使用方法に関する動画の閲覧が可能になり、より良い血糖管理に関する情報を定期的に入手できる。

 「FreeStyleリブレ 2をお使いの方および診療に関わられている医療従事者においても、日々の負担が軽減され、治療の継続につながり、ひいてはよりよい血糖管理につながることが期待されます」と、同社では述べている。

 「糖尿病のある方は、血糖がどのように推移しているのか、急な低血糖を起こさないか、など多くの悩みを抱えています。FreeStyleリブレ 2は、血糖の状態をより詳細に示し、これらの不安解消を支援します。私たちは、今後も医療従事者と共に、糖尿病とともに生きる方のより豊かで健康的な生活に貢献して参ります」としている。

「FreeStyleリブレ」について
 「FreeStyleリブレ」は、上腕の後ろ側に専用のセンサーを装着し、スマートフォンあるいは専用のリーダーをセンサーにかざすと、その画面に測定値が表示される。衣服の上からも読み取ることができ、1つのセンサーで最長14日間の24時間グルコースプロファイルを記録できる。
 「FreeStyleリブレLink」アプリを使用すると、スマートフォンで迅速かつさりげなくセンサーを読み取ることが可能。また、糖尿病をある人は自身のグルコースデータを、リブレViewを介して医師と共有することができる。
 アボットの「FreeStyleリブレ」は、持続グルコース測定技術を用いた世界をリードするデバイスであり、60ヵ国以上で550万人以上に使用されている。

血糖トレンドについて
 「血糖トレンド」とは糖尿病の管理における概念。睡眠時も含め24時間連続でグルコース値を測定する持続グルコース測定器(CGM)などの機器では、AGP(Ambulatory Glucose Profile)という解析方法を活用して、患者や医師が血糖トレンド(変動)を「見える化」できるようになっている。
 血糖トレンドの「見える化」は、血糖の変動や推移を点(ある時点の測定値)ではなく波形の線(連続測定の値)で表示するため、血糖管理状況の全体像や傾向を容易に把握することができる。
 血糖トレンドが「見える化」されることで、糖尿病のある人は、無自覚性低血糖や夜間低血糖、高血糖の存在に早期に気づき、予測して対策をたてることが可能となり、主体的な行動が取りやすくなると期待される。

「FreeStyleリブレ 2」と保険適用について
 「FreeStyleリブレ 2」の保険適用区分は「C150 血糖自己測定器加算」に加え、「特定保険医療材料158 関連技術料 D231-2 皮下連続式グルコース測定(一連)」が追加されたため、目的に応じて保険診療下で患者が使用できる。
 「FreeStyleリブレ 2」は、「FreeStyleリブレLink」アプリで使用することで、1分毎に測定されたグルコース値がリアルタイムでスマートフォンに表示される。また選べるアラート機能を備えているため、グルコースプロファイルの改善、低血糖/高血糖の低減といった、より良いアウトカムの達成に寄与するとしている。

医療機器承認番号
FreeStyleリブレ(販売名:FreeStyleリブレ、一般的名称:グルコースモニタシステム、承認番号:22800BZX00212000)、FreeStyleリブレ 2(販売名:FreeStyleリブレ 2、一般的名称:グルコースモニタシステム、承認番号:30300BZX00119000)

FreeStyleリブレ (アボット糖尿病関連製品サイト 医療関係者向け)

Changes in continuous glucose monitoring metrics and predictors of improvement 12 months after conversion from Freestyle Libre to Freestyle Libre 2 (Diabetic Medicine 2023年5月8日)
Intermittently Scanned Continuous Glucose Monitoring for Type 1 Diabetes (New England Journal of Medicine 2022年10月5日)

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