【新型コロナ】感染が疑われるときはどうすれば良い? 限りある医療資源を有効活用するために 感染症学会・救急医学会など
新型コロナの症状が出た場合は自宅療養を
新型コロナの感染数が急増しており、さらに6月以降は熱中症になる人も増え、救急医療が逼迫している。緊急通報である119番に電話をかけても、地域によってはつながりにくい状況になっている。
そこで、日本感染症学会、日本救急医学会、日本プライマリ・ケア連合学会、日本臨床救急医学会の4学会は8月2日、連名で「限りある医療資源を有効活用するための医療機関受診及び救急車利用に関する4学会声明」を発表した。
新型コロナ感染が拡大するなか、限りある医療資源を有効活用するために、新型コロナの感染が疑われるときでも、症状が軽い場合は、65歳未満で基礎疾患や妊娠がなければ、「検査や薬のためにあわてて医療機関を受診することは避けてください」と呼びかけている。
症状が軽いとは、「飲んだり食べたりできる、呼吸が苦しくない、乳幼児で顔色が良い」状態だという。
新型コロナのオミクロン株に感染して発症すると、平均3日で急性期症状(発熱・喉の痛み・鼻水・咳・全身のだるさ)が出現するが、そのほとんどは2~4日で軽くなり、「順調に経過すれば、"かぜ"と大きな違いはありません」としている。
「新型コロナの症状が出た場合は、まず仕事や学校を休んで外出を避け、自宅療養をはじめてください」と呼びかけている。
自宅療養では、新型コロナ専用の特別な治療は行われず、医療機関での治療は、つらい発熱や痛みを和らげる薬が中心になり、「こうした薬は薬局などで購入できます」。
症状が重い場合や基礎疾患のある人はかかりつけ医に相談
ただし、症状が重い場合や、37.5℃以上の発熱が4日以上続く場合、65歳以上の人や65歳未満でも基礎疾患がある人、妊娠中、ワクチン未接種の人などは、重症になる可能性があるという。
そうした人は「早めにかかりつけ医に相談してください。高熱が続くなど症状が長引いたり、重くなるようでしたら、かかりつけ医や近隣の医療機関へ必ず相談、受診(オンライン診療を含む)してください」としている。
症状が重いとは、「水分が飲めない、ぐったりして動けない、呼吸が苦しい、呼吸が速い、乳幼児で顔色が悪い、乳幼児で機嫌が悪くあやしてもおさまらない」状態としている。
糖尿病などの基礎疾患があり、医療機関の受診が必要な場合は、通常診療中の時間帯(平日の日中など)に、「かかりつけ医や近所の医療機関に電話相談してから受診しましょう」と呼びかけている。
医療機関が非常に混雑していると相談の電話がつながりにくい場合があるので、「しばらく待ってかけ直しましょう」としている。
判断に迷う場合は、かかりつけ医に相談を
救急車を呼ぶ必要がある症状は、▼顔色が明らかに悪い、唇が紫色になっている、▼(表情や外見などが)いつもと違う、様子がおかしい、▼息が荒くなった、急に息苦しくなった、▼日常生活で少し動いただけで息苦しい、胸の痛みがある、横になれない、座らないと息ができない、肩で息をしている、▼意識がおかしい(意識がない)などがある。「このようなときには救急車を呼ぶことをためらわないでください」としている。
救急車の適時の利用の目安について、救急車利用リーフレット(高齢者版、成人版、子供版)である「こんなときにはすぐ119番」を活用することを呼びかけている。
さらに、判断に迷う場合には、ふだんからの体調を把握しているかかりつけ医に相談したり、各種相談窓口(行政などが設置している発熱相談窓口、#7119等の救急安心センター・救急相談センター,#8000)などを活用することを勧めている。