新しい薬や治療の情報は患者にはわかりにくい どう説明したら良い? リーフレットを公開「医療情報をわかりやすく」

2023.04.05
 「医療情報をわかりやすく発信するプロジェクト」(2022年度研究代表者:山田恵子・埼玉県立大学准教授)は『新しい治療や薬の情報を見極めるための一般の方向けリーフレット[基礎編]』の公開を開始した。

 同プロジェクトでは、研究者や医療関係者、一般の人のあいだの研究に関する理解のギャップを減らすことを目的としており、医学系研究者が研究発表などの情報を、科学的な根拠にもとづき正しく発信できるようにすることを目指している。

「新しい治療や薬の情報を見極めるための一般の方向けリーフレット」を公開

 『新しい治療や薬の情報を見極めるための一般の方向けリーフレット[基礎編]』では、「薬や治療法の情報の出どころによる信頼度」「新薬ができるまで」をイラストや漫画で説明しているほか、誤解されがちな医療用語の例として、「ガイドライン」「標準治療」を取り上げ、その医学的な意味を紹介している。

 とくに新型コロナのパンデミックの影響もあり、正確な医学系研究の情報を伝えることの重要性は再認識されている。しかし、情報の発信元としての医療者や研究者が、誤解なく、わかりやすく研究を伝えるための日本語での手引きがないことが課題になっていた。

 そこで同プロジェクトでは、研究者らがプレスリリースを作成する場合などを想定して、『医学系研究をわかりやすく伝えるための手引き』を作成。

 同手引きは、一般の人が活用すること想定して編集されており、そのうちメディアや一般の人にも知っておいてもらいたい基礎的な内容を、リーフレットにまとめた。

 医学系研究をわかりやすく伝えるためのチェックリストも作成。現在、同プロジェクトのサイトでは、わかりやすい資料にするための「基本編チェックリスト」と、研究の内容を確かに伝えるための「実践編チェックリスト」が公開されている。

患者や一般にわかりやすく説明するときに、どんな言葉を使うと良いかを解説

 同プロジェクトの『用語集』では、「経過観察」「合併症」「QOL」「有害事象」「副作用」「重篤」といった医学用語について解説し、患者や一般がどう理解・認識しているかを説明したうえで、わかりやすく言い換える場合はどんな言葉を使えるかを提案している。

 同プロジェクトでは、3月16日に埼玉県立大学で、「『医学系研究をわかりやすく伝えるための手引き』~手引きの改善と発展~」シンポジウムをウェビナーで開催した。

 パネルディスカッションでは、東京大学の井出博生特任准教授がコーディネーターを務め、「一般の方と医学系研究者の言葉に対する理解の違いはどこにあるのか」「医学系研究者に対する教育の展開方法と効果測定」「理解の違いを埋めるための研究とは」などについて活発な意見交換を行った。

 とくに、使われる用語やその意味は刻々と変化するので、「データにもとづく改善を常に加えてゆく必要がある」「具体的な理解のギャップを示す事例集があると良いのではないか」「外国人の方々の増加など、情報の受け手の多様化にも即した調査や研究が必要なのではないか」といった議論がなされた。

 シンポジウムの動画は同プロジェクトのサイトで公開されている。

医療情報をわかりやすく発信するプロジェクト (東京大学未来ビジョン研究センター、埼玉県立大学)

 なお、この事業は日本医療研究開発機構(AMED)研究開発推進ネットワーク事業に採択されている。

[ TERAHATA / 日本医療・健康情報研究所 ]

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