【新型コロナ】モデルナのワクチンに異物が混入 有効性・安全性への影響はなし
モデルナのワクチンにステンレススチールが混入
新型コロナワクチン「COVID-19ワクチンモデルナ筋注」の一部ロットについて、9月1日に、モデルナ社による調査の結果、製造機器の組立て時の不具合により、ステンレスの破片が混入していたことが判明した。なお、使用前に目視で異物が確認されたものは実際には接種されていない。
注射針を通過できる大きさの粒子状金属が仮に筋肉内に注入された場合、接種された局所での反応をひきおこす可能性はあるものの、注射部位以外での副反応を起こす可能性は低いと考えられる。ステンレススチールは心臓の人工弁や関節置換、金属製の縫合糸やステープルなどの医療機器に用いられている。このことから、該当するロットでみつかったきわめて小さな粒子状金属が仮に筋肉内に注入された場合でも、医療上のリスクが増大する可能性は低いとしている。
同社は、使用を見合わせた3つのロット(ロット番号:3004667、3004734、3004956)のワクチンを自主回収している。ROVI社が実施した原因調査の報告書によると、ロット番号3004667で特定された粒子状異物が混入したもっとも可能性の高い原因は、ワクチンの製造ラインのモジュール(ワクチンの打栓を行う過程の機器のひとつ)に取り付けられた2つの金属部品の設置不具合による摩擦に起因している。この2つの部品は、スターホイールと、ゴム栓をスターホイールに供給する部品。ロット番号3004667を製造する前の製造ライン切り替え中に不適切に部品が配置されたとしている。
ワクチン接種後の2件の死亡事例については、現時点ではモデルナ社製ワクチン(ロット番号3004734)接種の因果関係があることは確認されていない。相互の関係なく偶発的に生じたものと考えられるとしている。今後、因果関係の有無に関する正式な調査を実施していく。
新型コロナワクチンについて(厚生労働省)
COVID-19ワクチンモデルナ筋注 添付文書 適正使用ガイド (医薬品医療機器総合機構)