日本糖尿病学会が「リアルタイムCGM適正使用指針」改訂版を公開 適応と注意点・アラートの設定閾値・アラート鳴動時の対応を記載

2021.12.23
 日本糖尿病学会は12月16日、「リアルタイムCGM適正使用指針」改訂版を公開した。

 「リアルタイムCGM」の導入にあたり、(1)適応と注意点、(2)アラートの設定閾値、(3)アラート鳴動時の対応を明確にした指針を示している。

リアルタイムCGMはインスリン・ペン型注入器を使用している糖尿病患者の「血糖コントロール改善に寄与する」と期待

 低血糖を回避しつつ血糖コントロールを行うため、インスリン療法を行っている糖尿病患者は、厳密に自身の血糖変動について把握する必要がある。自身の血糖値を測定するために、血糖自己測定(SMBG)、リアルタイム持続グルコース測定(リアルタイムCGM)、間歇スキャン式持続グルコース測定(isCGM*)といった方法がある。

 SMBGはもっとも一般的に行われている方法で、患者自身が測定を行った時点の血糖値を簡便に知ることができる。しかし、インスリン療法中の患者の血糖変動は大きく、SMBGを行わない時間帯の血糖値および、血糖が上昇傾向か下降傾向にあるのかといった変動傾向をSMBGで把握することは困難だ。SMBGのみでは高血糖や低血糖に対する事前の対策が難しいことが臨床的な問題となっているとしている。

 一方、2017年から保険適用となったisCGMは、リアルタイムCGMと同様に間質液中のグルコース濃度を測定するが、常にグルコース値の変動が機器に表示されているものではなく、患者が操作を行ったときのみ現在および過去のグルコース値の変動を確認できる。また、isCGMはペン型注入器やインスリポンプといったインスリン投与法の種類に依らず使用できるが、アラート機能は有していない。

 リアルタイムCGMは間質液中のグルコース濃度を継続的に自動測定し、グルコース値の変化を線状のグラフとして常時機器上に表示する。また、測定結果から低グルコース閾値や高グルコース閾値にいたることを予測してアラートを発する機能があることから、低グルコース閾値を適切に設定し、その際の対応を指導しておくことで、患者自身が低血糖に対して事前の対策を取れるようになることが期待される。

 これまでは、インスリンポンプ一体型のリアルタイムCGM(SAP)しか使用できなかったが、インスリンのペン型注入器を用いている場合にも使用できるリアルタイムCGMの2機種(メドトロニック社製ガーディアンコネクト、デクスコム社製デクスコムG4)が、2018年12月1日より保険適用となった。同機器はインスリンポンプと独立した単体型のリアルタイムCGMだ。

 ペン型注入器は使い勝手や費用負担の軽さから多くの患者に選択されているが、インスリンポンプと比較して、投与時間や量の微細な調整ができないことから血糖コントロールが難しく、予期せぬ高血糖や重症低血糖のリスクがあることが知られている。同機器の導入はかかる患者の血糖コントロール改善に大いに寄与することが期待されている。

適応と注意点・アラートの設定閾値・アラート鳴動時の対応を記載

 日本糖尿病学会がまとめた「リアルタイムCGM適正使用指針」では、使用できる施設として、「十分な指導体制と患者自身の適正な理解が欠かせないことから、インスリンポンプ一体型リアルタイムCGMと同様にインスリンポンプ治療を行っている施設で、糖尿病治療経験5年以上の糖尿病専門医が1名以上常勤していることに加えて、インスリンポンプ治療の経験を2年以上有する常勤の看護師や薬剤師(糖尿病療養指導士や糖尿病看護認定看護師など)が1名以上配置されている施設に限定される」としている。

 また、同機器の取り扱いや日常生活上の注意点、得られたデータの評価と対応、などに関するアドバイスや指導が的確に行われるよう、糖尿病専門医や糖尿病療養指導士、糖尿病看護認定看護師に対しては、日本糖尿病学会が行うSAPやCGMのe-learningの受講を必須としている。

 これらをふまえて、同機器の導入にあたり、(1)適応と注意点、(2)アラートの設定閾値、(3)アラート鳴動時の対応を示した適正使用指針をあらわした。

 「リアルタイムCGM適正使用指針」は、日本糖尿病学会のホームページで公開されている。

一般社団法人 日本糖尿病学会

* 日本糖尿病学会「糖尿病学用語集」編集委員会は、「iCGM」「isCGM」という略称(通称:フラッシュグルコースモニタリング)について、「iCGM」は他用語の略称としても使用されるようになったため、「間歇スキャン式持続グルコース測定(intermittently scanned CGM)」の略称を「iCGM」から「isCGM」に変更することを決定した。「iCGM」という略称を廃止し、今後は「isCGM」を使用するよう求めている。

[ TERAHATA / 日本医療・健康情報研究所 ]

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