日本人糖尿病の死因を調査 平均寿命は男性74.4歳、女性77.4歳 一般との差は縮まっている 日本糖尿病学会
糖尿病症例の死因の第1位は「悪性新生物」
悪性新生物が増加し血管障害は減少傾向
日本糖尿病学会「糖尿病の死因に関する調査委員会」(委員長:中村二郎・愛知医科大学医学部先進糖尿病治療学寄附講座教授)は、「アンケート調査による日本人糖尿病の死因-2011~2020年の10年間、68,555名での検討-」を公表した。
日本人の糖尿病症例の平均死亡時年齢は、男性74.4歳、女性77.4歳で、日本人一般の平均寿命に比して、それぞれ7.2歳、10.3歳短命であることを明らかにした。前回調査と比べて男性で3.0歳、女性で2.2歳の延命が認められ、日本人一般の平均寿命の伸び(男性2.0歳、女性1.4歳)より大きく、日本人一般の平均寿命と糖尿病症例の平均死亡時年齢の差は縮まっている。
糖尿病症例の死因の第1位は「悪性新生物」で38.9%[肺がん7.8%、膵がん6.5%、肝臓がん4.1%]、第2位は「感染症」で17.0%、第3位は「血管障害」で10.9%[脳血管障害5.2%、虚血性心疾患3.5%、慢性腎不全2.3%]となっており、悪性新生物の増加および血管障害の減少傾向が続いていることを示した。
虚血性心疾患のほとんどが心筋梗塞であり、虚血性心疾患以外の心疾患が9.0%と高率で、ほとんどが心不全だった。糖尿病症例では、がん・感染症・慢性腎不全・虚血性心疾患・心不全が有意に高く、脳血管障害は低いことが分かった。
研究グループは、アンケート調査方式で、全国208施設から糖尿病症例6万8,555人、非糖尿病症例16万4,621人、計23万3,176人を登録し、2011~2020年の10年間での死因を解析した。
詳細は、日本糖尿病学会のホームページで公開されている。
※2024年5月7日に一部修正しました。