スマホをかざすことで日常の糖尿病管理に用いられる日本初のアプリ「FreeStyleリブレLink」の提供を開始 アボット
同アプリは、糖尿病患者の日常的な指先穿刺による血糖測定を必要としない。*
スマートフォンで一瞬スキャンすることで、服の上からでも瞬時にグルコース値を読み取り血糖変動、矢印による血糖変動傾向、履歴、パターンなどを表示する。
FreeStyleリブレLinkとクラウドベースの糖尿病管理システムである「リブレView」を連携させることで、豊富なデータにもとづいたオンライン診療が期待される。
血糖変動をトレンドやパターンとして見える化
FreeStyleリブレセンサー
「FreeStyleリブレLink」アプリは、「FreeStyleリブレセンサー」と連動するよう設計されたモバイルアプリ。このアプリを搭載した互換性のあるスマホでグルコース値を測定することができる。同アプリを起動した互換性のあるスマホでセンサーをスキャンすることで、グルコース値などのデータは、近距離無線通信(NFC)によりスマホ上に表示される。
同アプリは、医師の指導のもとで使用でき、以下のことが可能だ。
▼現在のグルコース値、血糖の変動傾向を示す矢印、および直近8時間の血糖変動(血糖トレンド)の把握。
▼最大90日分のデータによる血糖変動のトレンドや変動パターンを示すAGP(Ambulatory Glucose Profile)レポートを含む詳細な血糖データの表示。
▼インスリン投与のタイミング、食事や運動など、さまざまな出来事をノートとして追加。
同アプリは、無料でダウンロード可能。「FreeStyleリブレ」のユーザーは、上腕に貼った最長14日間使用可能な「FreeStyleリブレ センサー」をスマホでスキャンすることで、現在のグルコース値や直近8時間の血糖変動(血糖トレンド)がスマホに表示される。
また、同アプリは、血糖変動をトレンドやパターンとして見える化することで、糖尿病患者が糖尿病の管理状況を把握することができる。なお、「FreeStyleリブレ」は、1型・2型等の病型を問わずインスリン療法を施行中の患者に保険適用されている。
糖尿病患者の日常の糖尿病管理を変える
日本では、血糖自己測定(SMBG)が広く使われているが、指先穿刺をともない、測定時の血糖値をピンポイントで把握することしかできないという課題がある。また、SMBGは器材と採血による血液が必要となるため、測定に一定の時間を要する。測定時に人目を気にする患者も少なくない。
「FreeStyleリブレLink」は、専用のリーダーを使わず、互換性のあるスマホによる1秒のスキャンで測定が可能だ。これにより、血糖測定の頻度が高まり、生活の質の向上に貢献することが期待されるとしている。
互換性のあるスマホは、2月10日現在で、iPhone(iPhone 7以上、iOS 13.2以上)。Android版は近日中に公開予定としている。
なお、FreeStyleリブレのユーザーは、血糖管理を改善し、目標グルコース値の範囲内時間を増加させ、高血糖および低血糖時間を短縮し、HbA1cを改善させていることが、リアルワールドデータで示されている。
オンライン診療でも、より良い糖尿病治療を
同アプリに保存される最長90日間のデータは、クラウドベースの糖尿病管理システムであるリブレViewと連携した場合、自動的にアップロードされ、医師と共有することが可能。
指先穿刺によって得られる測定時のピンポイントでの値と比べ、詳細な血糖データや過去の履歴、傾向など豊富な情報が得られ、オンライン診療でも役立てられる。
京都府立医科大学大学院医学研究科 内分泌・代謝内科学教授の福井道明先生は次のように述べている。
「より良い糖尿病管理において、糖尿病患者が自身の血糖状況を把握し、管理することは非常に重要です。特に現在の新型コロナウイルス感染症流行下においては、自身の血糖状況に応じた自己管理が大切になります」。
「FreeStyleリブレLinkによって、患者はより手軽に、少ない負担でグルコースデータを読み取ることが可能となり、より頻繁なグルコース値の確認や自身の血糖トレンドの深い理解につながることが期待されます。患者の意識および行動変容は、より良い糖尿病管理だけでなく、新型コロナウイルス感染症の重症化リスク軽減においても非常に重要です」。
また、同社では「このアプリは今後生活に関わるさまざまなデータを一体化させた血糖管理の実現に向けた大きな1歩になると考えています。私たちは、今後も、患者のより豊かで健康的な生活に貢献して参ります」と述べている。
同社は、FreeStyleリブレの全世界でのユーザー数と他の個人用のセンサーを使用する血糖測定器の比較にもとづくと、持続血糖測定の世界的リーダーの一社だという。