セマグルチドを追加すると2型糖尿病患者の心血管イベントを最長3年間抑えられる可能性 10年間の心血管イベントのリスクは20%減少

2020.09.30
 ノボ ノルディスクは、SUSTAIN 6およびPIONEER 6の2つの第3相試験からのプールデータの事後解析結果を、第56回欧州糖尿病学会(EASD2020)で発表した。

SUSTAIN 6とPIONEER 6の事後解析

 セマグルチド(商品名:オゼンピック)はGLP-1アナログ製剤。同社は、セマグルチドを有効成分とした週1回投与の注射剤である「オゼンピック皮下注」に加えて、経口セマグルチドである「リベルサス」を開発中。

 今回発表された事後解析では、心血管疾患のリスクが高い2型糖尿病患者では、標準治療に加えてセマグルチドを追加することで、心筋梗塞や脳卒中などの心血管イベントのない生存期間を平均18ヵ月、最長3年間延長できることが示された。

 セマグルチドを投与された参加者では、標準治療のみを受けた参加者と比較して、10年間に心血管イベントを経験するリスクが20%低下することも示された。

 さらに、セマグルチドにより、参加者が心血管イベントを経験しなかった平均年数が全年齢層(50~90歳)で7~35ヵ月延長され、50~65歳で心血管リスクが高い人に最大の便益が認められたことが示された。

 SUSTAIN臨床開発プログラムは、現在10の第3相グローバル臨床試験で構成されており、合計1万人以上の成人2型糖尿病患者が参加している。心血管アウトカム試験であるSUSTAIN 6試験では、心血管疾患のリスクが高い2型糖尿病患者で、オゼンピックが標準治療に追加された場合、心血管疾患による死亡、非致死性心筋梗塞または非致死性脳卒中のリスクが26%低下し、プラセボ群と比較して統計的に有意な低下が示された。

 また、PIONEER臨床試験プログラムは、2型糖尿病治療のために「リベルサス」(経口セマグルチド)を調査した第3a相グローバル臨床開発プログラム。この試験には、臨床試験10試験に合計9,543人の2型糖尿病患者が参加した。同試験は、「リベルサス」の承認申請前に実施されたevent-drivenの心血管安全性試験であり、2型糖尿病患者における、「リベルサス」の心血管系に対する安全性および有効性が検証された。

 事後解析では、2つの第3相無作為割付け試験、SUSTAIN 6およびPIONEER 6からのプールデータを用いられた。これら2つの試験には、心血管疾患のリスクが高い50~90歳の2型糖尿病患者6,480人が含まれている。

 解析は、心血管リスクモデルの糖尿病生涯予測(DIAL)を用いて行われた。この生涯リスクモデルは、2型糖尿病患者の心血管イベントの生涯リスク予測および介入によって得られた心血管疾患のない年数予測のために特別に開発された。欧州心臓病学会(ESC)を含む主要な心臓病学会は、こうした心血管疾患の予測と予防に寄与する予測モデルを推奨している。

 心血管疾患の既往がある特定の61歳の2型糖尿病患者のケースでは、DIALモデルにより、標準治療にセマグルチドを追加すると、10年間の心血管イベント発症リスクが21%低下し、ほぼ2年半(29ヵ月)にわたって心血管イベントが発症しなくなることが示された。

 「心血管疾患はいまだ2型糖尿病患者の身体障害および死亡の主要な原因であり、今回の解析は、SUSTAIN 6およびPIONEER 6の結果を再解釈するのに役立ち、心血管疾患を発症するリスクが高い2型糖尿病の個々の患者さんに対する臨床的な意思決定の根拠となるだろう」と、オランダのUniversity Medical Centerの内科助教であるJan Westerink氏は述べている。

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