2型糖尿病治療薬「メトホルミン」の後発薬を自主回収(クラスI) 管理指標を超えた発がん性物質を検出
2020.09.17
2型糖尿病治療薬である「メトホルミン塩酸塩」から発がん性物質が検出されたとして、東和薬品と日医工は9月16日に、それぞれ使用期限が2020〜21年のジェネリック(後発薬)製剤のうち、ロット番号が該当する製品の自主回収(クラスI)を開始した。
メトホルミンの後発薬から管理指標を超えたNDMAを検出
シンガポール保健科学庁(HSA)が、2型糖尿病治療薬であるメトホルミン塩酸塩を含有する製剤から発がん性物質であるN‐ニトロソジメチルアミン(NDMA)が微量に検出されたと発表したのを受けて、厚生労働省は2019年12月9日に日本国内の製造販売業者に対し、メトホルミン塩酸塩を含有する製剤の分析を指示した。 その結果、国内のメトホルミン塩酸塩の一部の製品から、管理指標(0.043ppm)を超えたNDMAが検出された。該当するのは後発医薬品メーカーである東和薬品(大阪府門真市)および日医工(富山市)の製品。両社は9月16日に自主回収(クラスI)を開始したと発表した。 NDMAが混入した原因については調査中で、現時点で複数の可能性があるという。また、同製品の安全性に関する社内データからは、これまでに発がん性を示唆する事象は認められおらず、健康被害の報告もないという。自主回収(クラスI)が開始されたメトホルミン塩酸塩
メトホルミン塩酸塩錠500mgMT「トーワ」(東和薬品)※なお、同剤「錠250mg」「錠250mgMT」については管理指標を超えるロットはなかった。
統一商品コード | 包装形態 | ロット番号 |
---|---|---|
155245066 | PTP100錠 |
B0193 B0224 B0317 B0397 |
155245080 | PTP500錠 |
B0196 B0199 B0351 B0359 B0362 B0388 |
155245073 | B300錠 |
B0203 B0245 |
※なお、同剤「錠250mgMT」「錠250mgMT」については管理指標を超えるロットはなかった。
統一商品コード | 包装形態 | ロット番号 |
---|---|---|
376-07591-6 | PTP100 錠 |
BU01 BU02 AC01 AC02 BC02 |
Tel.0120-757-108(受付時間:平日9:00~17:30) 日医工株式会社 医療関係者向け問合先
Tel.0120-517-215
回収は、回収される製品の使用によりもたらされる健康への危険性の程度により、以下のとおり3つに分類される。
クラスI:その製品の使用などが、重篤な健康被害または死亡の原因となり得る状況をいう。
クラスII:その製品の使用などが、一時的な若しくは医学的に治癒可能な健康被害の原因となる可能性がある状況またはその製品の使用などによる重篤な健康被害のおそれはまず考えられない状況をいう。
クラスIII:その製品の使用などが、健康被害の原因となるとはまず考えられない状況をいう。
クラスI:その製品の使用などが、重篤な健康被害または死亡の原因となり得る状況をいう。
クラスII:その製品の使用などが、一時的な若しくは医学的に治癒可能な健康被害の原因となる可能性がある状況またはその製品の使用などによる重篤な健康被害のおそれはまず考えられない状況をいう。
クラスIII:その製品の使用などが、健康被害の原因となるとはまず考えられない状況をいう。
出典:厚生労働省医薬食品局長通知「医薬品・医療機器などの回収について」(2014年11月21日)
関連情報
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]