ADAの2020年版2型糖尿病薬物療法ガイドライン 第一選択薬はメトホルミン 早期の併用療法を推奨

ADAの2020年版2型糖尿病薬物療法ガイドライン
 米国糖尿病学会(ADA)の2型糖尿病薬物療法ガイドラインの2020年版が「Annals of Internal Medicine」9月1日オンライン版に掲載された。メトホルミンを第一選択薬として推奨することは従来から変更ないが、治療効果が不十分な場合には早期に併用療法を開始することが、新たな推奨事項として盛り込まれた。

 ADAではエビデンスの蓄積を反映し、2型糖尿病薬物療法ガイドラインを毎年改訂している。2020年版の筆頭著者である米セントマークス病院糖尿病センターのKacie Doyle-Delgado氏は、第一選択として最適な薬剤はメトホルミンであるとした上で、重要な改訂ポイントとして、早期併用療法を推奨グレードA(適切にデザインされた臨床試験または高品質のメタ解析のエビデンスに基づく推奨)で追加したことを挙げている。具体的には以下のようなアルゴリズムが示された。

 初期治療として生活習慣の改善とともに、薬物療法ではメトホルミンを考慮する(推奨グレードA)。その上で、アテローム性動脈硬化性心血管疾患や慢性腎臓病、心不全がある場合は、GLP-1受容体作動薬またはSGLT2阻害薬を考慮する(推奨グレードA)。

 前記の併発症がなくHbA1cが個別化された治療目標に到達しない場合では、併用薬を以下の中から選択する。低血糖回避を重視する場合はDPP-4阻害薬やGLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬、チアゾリジン薬、体重管理を優先するのであればGLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬、医療費を考慮する場合はSU薬やチアゾリジン薬のジェネリック医薬品。また、経口薬を上回る血糖降下作用を得る必要がある場合、可能であればインスリンよりGLP-1受容体作動薬が優先される(推奨グレードB。適切に実施されたコホート研究のエビデンスに基づく推奨)。

 このほか、異化亢進状態(体重減少)や著明な高血糖(HbA1c>10%または血糖値≧300mg/dL)では、インスリンの早期導入を検討する必要があるとしている(推奨グレードE。専門家のコンセンサスまたは臨床経験によるエビデンスに基づく推奨)。また、処方薬は患者中心のアプローチの中で選択されるべきであり、考慮すべき事項の中にはコストや患者の好みも含まれることが述べられている(推奨グレードE)。

 これら薬剤選択のアルゴリズムに加え、著者らは「処方内容と服薬・自己注射の順守を定期的に(3〜6ヵ月ごとに)再評価し、必要に応じて調整する必要がある」としている(推奨グレードE)。

[HealthDay News 2020年9月1日]

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[Terahata]
編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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