【新型コロナ】COVID-19予防ワクチン候補 日本での第1相試験を開始 ヤンセン
2020.09.02
ヤンセンファーマは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防ワクチン候補の、日本での第1相試験を開始したと発表した。
米国とベルギーでは第1/2相試験が2020年7月に開始され、9月には第3相試験へと移行する予定。開発に成功すれば、海外では2021年初頭に緊急時使用許可(EUA)を取得することを目指している。
米国とベルギーでは第1/2相試験が2020年7月に開始され、9月には第3相試験へと移行する予定。開発に成功すれば、海外では2021年初頭に緊急時使用許可(EUA)を取得することを目指している。
アデノウイルスの血清型を使用した組換体ベクターワクチン
ヤンセンファーマは9月1日に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を引き起こすウイルスSARS-CoV-2のワクチン候補である「Ad26.COV2.S」を用いて国内第1相臨床試験を開始したと発表した。 同試験は、20歳から55歳までの健康な成人および65歳以上の高齢者の合計250名を対象とし、「Ad26.COV2.S」接種による安全性、反応原性(腫脹や疼痛など、ワクチン接種に対して予期される反応)、免疫原性の評価を行う。 「Ad26.COV2.S」は、風邪のウイルスの一種であるアデノウイルスの血清型26(Ad26)を使用した組換体ベクターワクチン。非増殖型アデノウイルス26をベクター(運び手)として、新型コロナウイルスに特徴的なスパイクタンパク質の遺伝子情報を組み込み、接種後に体内の免疫系を刺激して新型コロナウイルスに対する抗体を作り出す。 新規ワクチン候補の迅速な開発と最適なワクチン候補の大量生産を可能にするヤンセンのAdVac技術を活用している。ヤンセン ファーマシューティカル カンパニーズが有する同技術は、欧州で承認されたエボラウイルスワクチン、さらに開発中のジカウイルス、RSウイルス、およびHIVの各ワクチン候補での臨床試験でも使用されており、これまでに9万例以上に投与した実績をもつ。 ジョンソン・エンド・ジョンソンの医療部門であるヤンセン ファーマシューティカル カンパニーズはすでに、「Ad26.COV2.S」の前臨床試験を米国で行い、1回の接種で「中和抗体」を含む強力な免疫反応をサルで誘発し、接種後の感染を防御することを明らかにしている。 この良好なデータにもとづき、「Ad26.COV2.S」の第1/2a相試験(ヒトでのはじめての投与)を米国とベルギーで2020年7月から実施しており、9月には第3相試験へと移行する予定。また、オランダ、スペイン、ドイツでの第2a相試験も予定している。 また、SARS-CoV-2ワクチン候補の臨床開発を進める一方で、ワクチンの生産能力の拡充に取り組み、世界の多くの人々がこのワクチンにアクセスできるよう、グローバルパートナーとの積極的な協議を進めているという。 開発中のワクチン候補の安全性と有効性が確認されれば、海外では、2021年初頭(第一四半期)に緊急時使用許可(EUA)を取得することを目指している。 ヤンセンファーマ[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]