日本糖尿病学会が「リアルタイムCGM適正使用指針」を改訂 無自覚低血糖や夜間低血糖のある患者などに有用
2020.04.28
日本糖尿病学会は「リアルタイムCGM適正使用指針」を改訂し、4月16日より同学会ホームページで公開している。
糖尿病学会のeラーニングの受講が必須
リアルタイムCGMは、間質液中のグルコース濃度を継続的に自動測定し、グルコース値の変化を線状のグラフとして常時機器上に表示し、測定結果から低グルコース閾値や高グルコース閾値にいたることを予測してアラートを発する機能が付いている。 インスリンポンプ一体型リアルタイムCGM(SAP)にはアラート機能が搭載されているが、リアルタイムCGMはペン型注入器を用いる患者にとって初めてのアラート機能を有するものになる。 とくに無自覚低血糖や夜間低血糖の既往がある患者、または自覚症状が出る前に低血糖に対して未然に対策を講じる必要がある患者にとって有用と考えられている。低グルコース閾値を適切に設定し、その際の対応を指導しておくことで、患者自身が低血糖に対して事前の対策をとれるようになる。 リアルタイムCGMの使用は、インスリンポンプ一体型リアルタイムCGM(SAP)と同様にインスリンポンプ治療を行っている施設で、糖尿病治療経験5年以上の糖尿病専門医が1名以上常勤していることに加えて、インスリンポンプ治療の経験を2年以上有する常勤の看護師や薬剤師(糖尿病療養指導士や糖尿病看護認定看護師など)が1名以上配置されている施設に限定される。 その適応は、(1)急性発症1型または劇症1型の糖尿病患者で、低血糖対策と血糖コントロールの両立が強く求められるが就労や生活環境上の理由でSAPを使用できない患者、(2)2型の糖尿病患者でも内因性インスリン分泌が欠乏(空腹時血清Cペプチド0.5ng/mL未満)しており、インスリン治療を行っていても低血糖発作など重篤な有害事象がおきている血糖コントロール不安定な患者となっている。 具体的には、インスリン頻回注射またはSAP以外のインスリンポンプ治療と1日最低2回以上のSMBGを行っているが、血糖が不安定で予期せぬ低血糖や著明な高血糖を繰り返す患者で、上記に示した施設基準を満たす医療機関を受診している患者が適応となる。低血糖リスクが乏しく、血糖コントロールの安定している患者や、医師の指導に従わず、SMBGを行わない患者などは適応外となっている。 また、実際の使用開始に際しては、日本糖尿病学会が作成するeラーニングの受講が必須とされている。eラーニングの教材は4部構成で、リアルタイムCGMの機能と使い方、注意点などが理解できるようになっている。 リアルタイムCGMは、ペン型注入器を用いている場合にも使用できる2機種(ガーディアンコネクト、デクスコム G4)が2018年12月1日より保険適用となった。 一般社団法人 日本糖尿病学会[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]